「山水石美術館」 水石・美石を紹介 西美濃 金生山 紅更花瓶、紅孔雀花瓶


西美濃 紅更紗石




西濃大理石はかつて

中山道赤坂宿の土産として人気を博し

最盛期の明治30年代には

金生山のある赤坂町(現 大垣市)には350もの加工

販売業者が軒を連ねたとされます



西濃大理石は日本唯一の多色原石で

なかでも、紅更紗は、金生山特有の石で

昔から基調で高価なものとして扱われていたといいます


どれくらい高価だったというと、5センチくらいの磨いた玉が

当時成人男性の給料が4500円だった時に

玉1つが2000円ほどしたそうです



紅更紗は、他に

本更紗、金生錦、紅孔雀などの呼び名を持ちます

このうち「紅孔雀」は、昭和天皇による命名です



紅の正体は「赤鉄鉱」の色がついたものだそうです



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紅更紗の出た場所は

石灰岩の採掘で破壊され、消滅てしまいました




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美濃の更紗石は、多色性、色の深さ、日本的な色調、透明感…

世界に類をみない大理石、世界一美しい大理石と言えます






なお、金生山〔きんしょうざん・正式にはかなぶやま〕は

岐阜県大垣市赤坂町にある伊吹山地の南東端に

位置する標高217mの山です

金生山は化石界で有名です



2億5千万年前(古生代ペルム紀)、赤道直下のサンゴ礁に生息した

フズリナ、サンゴ、ウミユリ、巻貝、二枚貝などの化石が豊富に産出し

「日本の古生物学発祥の地」「古生物のメッカ」として知られています

中でもシカマイアという二枚貝やウミユリは、世界一の大きさを誇っています

(金生山化石館のサイトから引用)





クリックすると写真が拡大表示されます







銘「聖山」(せいざん)




直径19×高さ20  およそ9㎏
















この石は、関ケ原マーブルクラフトさんが

「最後の紅孔雀」として所蔵していた

4つ花瓶のうちの1つで

(このうち3つはいただいています)

かなり高額で買いました


佐渡の錦紅石を想われる色調が素敵です


菊花石なら

例えば「グリーン母岩で赤花の一級品」とか条件を指定して

業者さんに頼んだ場合は、なかなかみつかりませんが

「菊花石の一級品」と頼めば、手に入らないことはありません

しかし、この紅更紗はなんとしてもモノがないので

手に入れるのは千倍は大変です




花瓶の厚さがあるので

先代の作品かと思われます

〔 現在、唯一人 更紗花瓶を作っている長谷川さんは、傑出した名人で

石を薄く削れるので、彼の花瓶ならもっと厚みがなく、軽いはずです 〕




また、関ケ原マーブルクラフトさんがいうには

花を活けるとき、水が石に染み込まないように

花瓶の内側というか中の底に樹脂を流し込んでおいたとのことでした









銘「錦彩」(きんさい)




直径9.5×高さ15  2090g











銘「妃神」(ひめかみ)




直径8.5×高さ12  1230g












銘「幸」(さち)





直径11×高さ15.5  2650g














銘「秋茜」(あきあかね)





直径8.5×高さ17  1669g











銘「不死鳥」




直径15×高さ20  およそ4.5㎏











長谷川さんに石を提供してこられた

清水さんが、あちこち石仲間をあたってくださいました

この石は、そうしてでききた石を

長谷川さんが花瓶にしたものです


2017年、最後の紅更紗の花瓶として蘇ったわけです


五色石のような多色性の母岩に、透明度の高い白が入り

そこに紅が流れるといった

モザイク五色と紅という美濃の更紗の最高の部分の

2つが融合した素敵に石です



銘は清水さんの命名です









銘「孔雀王」






直径12×高さ31  5㎏弱




この石は、フラッシュを炊かないと

加工修正しても、若干ボケてしまうので

フラッシュ撮影しています














以下は、フラッシュなしで撮影




















紅更紗石 原石 (片面磨き)




横21×高さ11×奥8  2475g














紅更紗石 原石





横35×高さ27×奥6  およそ8.5㎏







貝沼喜久男 更紗花瓶保存会 を立ち上げられた

七里さんからいただきました

特大の紅孔雀です




七里会長が

ある大垣赤坂の元石細工職人のご家族が

10キロ内外はある〔一番大きいものは40キロ〕

紅孔雀磨き石を13石もお持ちであることを知り

全部買い取られたうちの1つです



希少な特大級の紅孔雀が

一挙に10石以上、入手できたことについて

会長は

「奇跡が起きたみたいなもんです」

と言っておられました













40キロの超特大  クリックすると写真が拡大表示されます






この石は、シカマイヤと同居した

超希少石



ウキペディアによると

シカマイアは古生代ペルム紀の巨大な二枚貝

畳一枚ほどの大きさにもなり、史上最大の二枚貝とされる

「日本の古生物学発祥の地」「化石研究のメッカ」

とも言われる岐阜県の金生山で初めて発見された

とあります





長さ1メートルくらい。100キロ以上の原石





おまけに、五色の更紗石(茶色の部分)まで

同居しています










黄金孔雀更紗石





この石は、私の所有するものではありません

七里正貴様という方が

私のホームページをみてくださり

珍しい更紗花瓶があるということで、写真を送ってくださりました


左上から右へ下がる太い帯が、赤いと紅更紗、紅孔雀なわけですが

この石の場合、帯が褐色=黄金 です


大変、珍しいものなので

ぜひホームページで紹介したいとお伝えしたところ

快く承諾をいただき、ここに掲載することになりました




その後、七里さんは

貝沼喜久男 更紗花瓶保存会 を立ち上げられ


私も入会させていただきました







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