緋山酔恭「山水石美術館」 全国の水石・美石を紹介 加賀めのう


加賀瑪瑙




メノウという石は、全国的に採取できますが


国産のメノウの観賞石として、名高いものは

北海道の枝幸メノウ、花石メノウ

青森錦石のメノウ

加賀メノウ


といったところです



なお、出雲の青メノウは、とても有名ですが

実際には、ジャスパーです


関東では茨城県の久慈川が知られ

オレンジのメノウが採れます



石英鉱物は、目に見えるほど大きく結晶しているもの

つまり顕晶質(けんしょうしつ)のものを「水晶」と呼びます


一方、ミクロサイズの結晶が集まった潜晶質(せんしょうしつ)のものは

「カルセドニー」(玉髄)、「瑪瑙」(アゲート)、「ジャスパー」(碧玉)に分けられ

「カルセドニー」(玉髄)と「瑪瑙」(アゲート)は、半透明なモノ

「瑪瑙」(アゲート)は、カルセドニーのなかで模様の美しいモノをいいます

これに対し、ジャスパーは不透明なモノを指します



日本ではジャスパーの中でも、とりわけうつくしく透明感のあるモノを

五色瑪瑙(佐渡の錦紅石)、羽茂瑪瑙(佐渡の羽茂五色)

出雲瑪瑙(花仙山のジャスパー)などと呼び

メノウは「美称」にもなっていますが

基本ジャスパーですし、世界的にも瑪瑙はありふれた石です




加賀メノウのよさは、その母岩が示す日本的な色調です

それゆえ、私自身、もっとも好きなメノウです

とくに色調に優れたものは「錦メノウ」や「五色メノウ」と呼ばれます


なお加賀メノウの欠点を言えば、硬質化した泥(石灰質?)が混入すところですが

それがあるから日本的な色調を形成したとも考えられます

ま何億年と経つと、地熱の影響で石灰質もメノウになるのかもしれません




石川県小松市 馬場町、那谷町、菩提町にまたがる

菩提公園〔墓地公園・丘陵地に昭和48年より造成整備を開始〕あたりに産出し

江戸時代より知られているといいます


とくに20年くらい前の公園の造成工事に伴って

大量のメノウ、ジャスパー、水晶、紫水晶などが産出されたそうです



私の所有するものの多くは

7、8年ほど前(2010年頃)、大雨で菩提公園の一部が崩れ

川に流れ込んだもので

それを白山紋石庵のご主人 山下さんが拾われたものです


このとき、川は、オパール、メノウ、水晶、ジャスパーが

あふれる宝の川だったといい

それを友人2人と3人で、何度か行って、全部拾ってきたそうです



加賀メノウを採集する人は多いのですが

見方が鉱物趣味的であり

『加賀メノウのよさは、その母岩が示す日本的な色調』

というような見解は、私独自のものですが

写真をみて そこのよさを堪能いただければ

加賀メノウの価値が

現在の何倍、何十倍あることがおわかりになるほずです


おそらく「和」の世界をもつ

世界一のメノウといえるでしょう






なお、オパールは、鉱物学的には

水晶や瑪瑙やジャスパーと同じ珪素が主成分です

但し、オパールは非晶質である点、水晶と異なります


たいへん珍しい非結晶の宝石で、他の宝石は、それぞれの成分となる元素が

その化学構造に基づいてしっかりとした結晶を作っています


一方オパールは、珪素と水が混じりあって出来た粒子(つぶ)が

集まって形作られているだけで、元素同士が結びついてはいません


水分を多く含みますので柔らかく硬度も5.5ほどしかありません


オパールは、シリカゲル(乾燥剤)と化学的にはあまり変らないわけです


なお、非晶質とは

結晶のような長距離秩序はないが短距離秩序はある物質

とされています






クリックすると写真が拡大表示されます







横27×高さ(台込)17×奥18  およそ6.5㎏

最高の色彩の五色メノウ

















裏には、鮮やかな赤が入ります

これが表に入ればなおよかったですね



白い部分が硬質化した泥(石灰?)です





富山県の高道万石堂さんから購入しました











横17×高さ(台込)27×奥8  およそ4.5㎏




水晶入りメノウ







白山紋石庵のご主人 山下さんよりいただきました











横1.5×高さ(台込)10×奥7.5  1600g




紫水晶入り


白山紋石庵のご主人 山下さんよりいただきました











横12×高さ(台込)21×奥11  4㎏弱










雷紋もみられます


白山紋石庵のご主人 山下さんよりいただきました











横11×高さ(台込)20×奥4.5  1304g




ブルーオパール入り

かなり希少


実際の色はもう少し黒味が強く、より上品です


白山紋石庵のご主人 山下さんよりいただきました











横18×高さ(台なし)18×奥11  6㎏弱




富山県の高道万石堂さんから購入しました

前所有者のかたは「月見で一杯」という銘をつけていたそうです




















横28×高さ(台込)20×奥18  およそ9㎏










ほとんど母岩ですが、硬質で鮮やかな赤も混じっています

紅葉の山をイメージさせます


白山紋石庵のご主人 山下さんよりいただきました










横30×高さ(台込)24×奥21  17㎏弱













満天菊さんよりいただきました

銘は、昇龍乗雲というそうです





原石は42㎏あったそうです











横15.5×高さ(台込)16×奥7.5  2403g




オパール入りメノウ





雷紋みたいなのもみられる

白山紋石庵のご主人 山下さんよりいただきました











横15.5×高さ(台込)23.5×奥9  4.5㎏




錦メノウ


白山紋石庵のご主人 山下さんよりいただきました


































横19×高さ(台込)17.5×奥16  およそ4.5㎏









白山紋石庵のご主人 山下さんよりいただきました


メノウ質の部分は少なく

母岩を観賞する石ですが


緑に、加賀錦と見まがうほどの雷紋と

赤のジャスパーのが入る

とても日本的で美しい石です


加賀錦と称してもいいのですが

採取した場所が、加賀メノウの場所であること

また赤が多い点において、通常の加賀錦と異なること

そこから、山下さんは加賀メノウと分類していました








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