緋山酔恭「山水石美術館」 白山紋石、瀬戸瀬の菊紋石、岩崎花紋石、菊寿石


その他の菊花・菊紋石




菊の花のような紋様が石に出るものは

鉱物的なものを含めると全国各地に出るようです


しかし、菊花石として

水石レベルで

鑑賞に堪えうる価値が認められているのは

岐阜、土佐、下仁田、多摩 だけです



菊花石に似た

「菊紋石」あるいは「花紋石」などと呼ばれるものでは

白山紋石、津軽錦石の岩崎花紋石 が人気です



また、マイナーですが

北海道には、ぼたん石のような母岩に

菊紋が出る瀬戸瀬の菊紋石があります

オホーツクの町 遠軽(えんがる)の瀬戸瀬川で採れるようです





それと「菊寿石」と呼ばれる石があります

しばしば「黄金菊花石」の名でヤフオクに出ますね

水石としても扱われますが

少し、鉱物趣味の感じがする石で、正式名は、頑火輝石(花の部分)と言います

耐火性に優れているのでこのような名前がついたらしいです



菊寿石は、岩手県川井村道又のものが圧倒的に著名です

なお、川井村は、現在は宮古市に合併されています

宮古市西部の山間部に相当し、岩手県のほぼ中央に位置しています

黒い蛇紋岩に、頑火輝石の黄金花が咲きます



それに次ぐのは、岐阜県柿野の東洞谷で採れる菊寿石です

こちらの花は、灰鉄輝石と呼ばれる鉱物だそうです

柿野にはかつて鉱山があり、菊寿石は観賞石用に採掘されていたようです





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白山紋石



石川県の手取川や支流の尾添川で採れるものが

品質的にも一番で

岐阜の白川郷あたりの大白川(おおしらかわ・庄川水系)で採れるものは

花弁が大振りで乱れる傾向にあります

後者は「飛騨紋石」とも呼ばれます



球果流紋岩です


ヤフオクなんかでは、なかなか白山紋石のいいものが手にはいらず

それが、白山紋石庵の山下さんと知り合うきっかけになりました






横11×高さ(台込)11×奥10  2159g










白山紋石庵の山下さんよりいただきました











横12.5×高さ(台込)15.5×奥9  2041g







白山紋石庵の山下さんよりいただきました


前の石が宝石磨きしてあるの対し

この石はその手前でとどめて風合いをもたせています










白山紋石 セピア母岩





横13.5×高さ(台込)13.5×奥11  1849g















白山紋石庵の山下さんが、自採石をご自身で仕上げたものです









白山紋石 糸菊





横13×高さ(台込)11.5×奥6.5  1088g


花火と呼ばれるものの自然石

白山紋石庵の山下さんよりいただきました











横13×高さ(台込)10×奥8  1478g


花火と呼ばれるものの磨き石

白山紋石庵の山下さんよりいただきました











横11×高さ(台なし)19×奥4  765g







白山紋石と同様な石で、飛騨側で拾えるものを

飛騨紋石といいます


ただ、白山紋石に比べると、花がやや劣り(乱れる)ものが多いようです












横12×高さ17弱×奥5強  1075g





赤の系統は珍しいです



上と同じ飛騨紋石系で、こちらは梅花として観賞できます









瀬戸瀬の菊紋石


北海道 遠軽町の瀬戸瀬川から採れた菊紋石ですが

かなり希少のようです






横34×高さ(石のみ)21×奥11  およそ12㎏





菊の大きさは、瀬戸瀬の菊紋としては最大級で

母岩はオホーツクをイメージさせます







この石は、亡くなられた一選堂(旭川の水石業者)の相内さんより購入しました

相内さんの話では、瀬戸瀬の菊紋としては最高クラスで

石のブームのときは、このクラスの石が東京の催事場で40万で売れたといいます












横9.5×高さ14.5×奥7  1583g











越前紋石の菊紋


越前紋石は越前海岸、越前厨温泉あたりの海岸で拾えるようです

いくつか種類があるようです

≪門司・北海道・その他の梅花石≫では、別の4石紹介しました






横8.5×高さ(台込)9.5×奥4.5  533g


左肩の中抜けの花がヒマワリのようです





天然石大好きさんよりいただきました

台はアフリカ材のサペリという聞いたことない材を使用したそうです










岩崎花紋石



青森県津軽地方岩崎村

(現在は深浦町合併に)で産出される津軽錦石の一種で

津軽錦石のなかでは、鹿の子石についで

人気の石です


小田桐錦石研究所の小田桐さんによると

かつては、津軽小菊と呼んでいたそうです


球果流紋岩です


この石は、珪酸成分(石英成分)が多く、艶がよく出るそうです

ただ、巣穴、腐れ、さびが入りやすいのと

母岩の地色に、肌色や灰色が入ってくるのと

花がつながりやすいこと

などから

なかなか良品と呼べるものは少ないようです







横9×高さ(台込)12×奥6  860g







素晴らしい赤花紋石です

この石は、天然石大好きよりいただきました

台座は東南アジア産の縞黒檀を使用し

今表面処理せずナチュラル仕様としたそうです












横13.5×高さ(台込)9.5×奥5.5  852g




裏はさびが残念です


この石は、小田桐錦石研究所の小田桐さんよりいただきました











横11.5×高さ(台込)13.5×奥8.5  1464g




素晴らしい青花紋石です

この石も、天然石大好きよりいただきました



台座は、中南米産マホガニーです、この材は超高級家具材として有名なんです

とのことです












横13.5×高さ(台込)13×奥5.5  1318g




この石は、静岡の著名な愛石家 一刻爺さんこと

田旗さん(故人)よりいただきました













横8×高さ8×奥5  480g











横16×高さ(台込)20.5×奥17.5  1698g




この石も、小田桐錦石研究所の小田桐さんよりいただきました

希少な赤花紋です





裏も十分、観賞できますが

表よりも花がつながってしまっています












横10.3×高さ(台込)2.5×奥5.8  143g







この石は、静岡の著名な愛石家 一刻爺さんこと

田旗さん(故人)よりいただきました












横10×高さ(台込)4×奥5  175g




この石も、静岡の著名な愛石家 一刻爺さんこと

田旗さん(故人)よりいただきました


小品ですが色とバランスは最高です











横27×高さ(台込)20×奥8  およそ4.5㎏



この石は、笹川さんという方よりヤフオクで購入しました


5年ほど前に高齢の為、父を私の家に連れてきたのですが

その際、この石は持って行きたいといい、父と一緒に我が家にまいりました

父は元々東北岩手の出身で、青森県弘前市にも住んでおりましたので

その際手に入れたものかもしれません

というお話をされていました












横31×高さ21.5×奥11  およそ11㎏




大型の岩崎家紋としては色がいいです

さびもほぼなく、腐れ、巣穴は全くなく、質は最高です












横8.5×高さ(台なし)11.5×奥4  599g













青森県八戸市の方より、ヤフオクを通していただきました

即決で落しました


おそらく趣味で石を拾って磨かれている方かと思います











商品説明に

大江戸の女将さんの着物感が思い出されるような

花紋石にしあがってますよ!

大変貴重な品でこんなキレイな花紋石はもう産出されてません!

これはなにかの縁!豪華品物逸品。どうですか!

とありました





下の写真は、満天菊さんのブログに掲載されている

岩崎花紋です

https://ameblo.jp/kanzakikawam/entry-12507179598.html










5年以上前かと思います

満天菊さんから、孔雀石など直接、買わせていただいたこともあり

そのとき写真の石をみて


「岩崎花紋にもこんないい花のものがあるのか」と

以来、ずっと心に止めていました


(確かこの岩崎花紋は、現地の石友さんの案内で

採取してきたものだから譲れない

ということだったと記憶しています)


今回、八戸の方よりとても花のよい花紋石が入手できました










菊寿石





横28×高さ22×奥9.5  およそ7㎏




岩手県川井村道又産











横24×高さ10.5×奥13  およそ3.5㎏




岐阜県柿野の東洞谷産

背面はちょっと青みがかっています

穴には小さな水晶がみられ、わりと質のいい石です









群馬県南牧村の菊花石





横18×高さ8×奥3  479g


たいしたものではないですが

自然なものというよさと、花が白で綺麗というよさがあります









戸神山の紫菊花





横11×高さ6×奥6  372g




群馬県沼田市の戸神山で採れる石ということで

鉱物趣味のかたからもらったものです



戸神山は紫水晶(アメジスト))が採れるらしく

この石に紫水晶がくっついて出るそうです

母岩も石英とのことです










菊面石





横10.5×高さ(台込)17.5×奥9.5  3㎏強




時計の針もみられる






「ナポレオン石」や「時計石」とも呼ばれます

鉱物的には、球状花崗閃緑岩というらしいです


ナポレオン石という呼称の由縁は

ナポレオンの生誕地であるコルシカ島で最初に発見されたとか

コルシカ島で多く採石されるからといいます


これは福井県の真名川産です


宮城県白石市、佐賀県多久市にも同種のものがあり

すべて国の天然記念物となっています




水石、美石の趣味からするとは、面白いというだけの石ですが

鉱物趣味として人気が高いようです


茨城の水石業者の株木さんのところに

たまたまあったのでついでに買っておいたものです








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