揖斐川石 Ⅰ 揖斐川は、木曽川水系の支流で、長さは121mです 岐阜県揖斐郡揖斐川町の冠山(かんむりやま)に源を発し おおむね南流し 途中一部木曽川、長良川と平行して流れ 河口附近の三重県桑名市で長良川と合流して伊勢湾に注ぎます 木曽川、長良川、揖斐川は、木曽三川(きそさんせん 濃尾三川(のうびさんせん)と呼ばれ かつて、この三本の川は、下流部で合流・分流を繰り返していたので たびたび水害を引き起こしてきたそうす 1887年(明治20)から1912年(明治45)の木曽三川分流工事によって 長良川が堤防により、河口まで流路が分けられました 冠山は、岐阜県と福井県にまたがる標高1257m 日本300名山に選ばれています 揖斐川及び九頭竜川支流の足羽川の源流となっていて 冠山峠(かんむりやまとうげ)がその分水嶺となっているそうです 揖斐川は、古くから瀬田川と並び 名石の宝庫として知られています 多くは、硬質の青の系統の石で 真黒は少ないです 揖斐の石の特徴は、凹凸のジャグレではなく 独特のジャグレによって生まれた石肌が優っていて 石肌において、佐治川石と双璧をなすと言っていいと思います クリックすると写真が拡大表示されます 横26×高さ(台込)23.5×奥19.5 およそ9.5㎏ この石は、山形石として教科書どおりではないので 登山経験のない方にはご理解いただけないかもしれませんが 山頂から山麓へとのびる 痩せ尾根が最高なのです 尾根の痩せ感じは、揖斐独特ジャグレより生まれていて 養石も完全で 揖斐の青の傑作と言えます 愛知県の菊花石・水石専門業者 天勝庵の渡辺さんからいただきましたが 前所有者は、石を立てて姿石としてみていたようで 渡辺さんがこのように台付けをしなおしたとのことでした 渡辺さんは、水石収集も長年なさっていたので ヤフオクに出品をはじめた当初は、かなりいいモノを出していました 長年、収集してきたコレクションを出していたわけですから 【 養 石 】 石を雨ざらしにして、さらに水をかけては、太陽の光で乾かす これを何十年と繰り返すことにより、黒く古びた感じにすることを言います 養石することを≪時代をつける≫と言います なお、これは、石の表面が、化学反応によって変化したことを意味します また「家の中で、水盤に載せて、週1回くらい水をかけるだけでも 十分に時代がついてくる」 「むしろそれくらいのほうが、石が持つ、 本来の肌質を損なわずに、時代がのせることができる」 と語る水石業者さんもいますし 新聞紙でくるんで置くだけでも時代がのってくるという人がいます また、瀬田川の虎なんかは、基本、柔らかい石で、加工しやすく 水石になっているもののほとんどに手が入っています こうした瀬田の虎は、さらになにかを塗って黒くしたものが多いですが それを「もちこみが古い」などと言っている場合もよくあるので注意が必要です 横20×高さ(台込)9.5×奥10.5 1481g この石も、肌を観賞するための石です 愛知県の菊花石・水石専門業者 天勝庵の渡辺さんからいただきました 横24×高さ(台込)12.5×奥6.5 1738g この石も、肌を観賞するための石です 愛知県の菊花石・水石専門業者 天勝庵の渡辺さんからいただきました 粕川石 横24.5×高さ17.5×奥9.5 およそ3㎏ 揖斐川の支流 粕川(かすがわ)を代表する肌です 粕川は、岐阜県揖斐郡揖斐川町の 伊吹山地の 貝月山(かいづきやま・1234m)付近に源を発し 揖斐川町脛永付近で揖斐川に合流します 貝月山 転写 石の芯でキンキンの質ではありますが 青の系統に比べてやや軽いです 下を水門に見立てて観賞できます 愛知県の菊花石・水石専門業者 天勝庵の渡辺さんからいただきました 横34×高さ13.5×奥22 およそ8.5㎏ この石も軟らかい外装が全部とれた キンキンの芯で、硬くて重たい石です 景は難もありますが、揖斐の芯として最高の質です 愛知県の菊花石・水石専門業者 天勝庵の渡辺さんからいただきました 横25×高さ(台込)10.5×奥18 およそ4㎏ 愛知県の菊花石・水石専門業者 天勝庵の渡辺さんからいただきました
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