医王山と小矢部川の ジャスパー 日本の良質なジャスパー(碧玉)の産地としては、佐渡が有名ですが 富山県の「小矢部川」(おやべがわ)のものもわりと名が通っています オークションで、色石を落札すると 画像では、鮮やかな赤であるのに 品物が届くと、色がくすんでいたり ひどいモノになると「赤」でなく「茶赤」であったなんてことも多いですよね 小矢部川のジャスパーの場合 なかなか色のよいものはないのは確かなようですが ちゃんと色のいい石もあります 「あなたは佐渡の石をイメージしていませんか?」 「佐渡とちがって小矢部のものは茶赤なんですよ」 なんて話は、詭弁です 返品です(笑) 佐渡だって茶赤のものもあります 以前、こんななこともありました 佐渡のあるお店のホームページに 「赤玉石」の写真が掲載されていて その石は、写真でみるかぎり、赤と朱が混じったキレイな石でした ご主人に訪ねてみると 「一級品の赤玉」「本来10万は欲しいけど7万までなら落とせる」 というので購入しました しかし、実際は茶赤に近い石で、たたき返したことがあります その方は、佐渡の銘石協会のえらい方です その人が悪いということでなく、こっちが見る目がない、知識がないと 世の中なんてそんなもんだということです 目ができないと、お金だけではいい石は、手に入らないということです ちなみにそれがきっかけで、その方からいくつかいい石をいただいています 小矢部川の石は、もともと 医王山(いおうざん・石川県金沢市と富山県南砺市にまたがる 標高939mの山塊。日本300名山) から入るものだそうです 医王山 転写 ウキペディアによると、医王山は 奈良時代の719年に、白山を開いた泰澄大師(伝説的な人物)が開山し 薬草が多いことから唐の育王山にちなんで 育王仙と名付けたのが始めとされる 722年には、元正天皇が大病にかかり 泰澄大師がこの山の薬草を献上したところ快癒した 帝は大いに喜ばれ、泰澄に神融法師の称号を賜わり 山には医王山と命名したという 薬草が多く、薬師如来(大医王仏)が祭られたことが山名の由来とする説もある 藩政時代は、医王石(戸室石)の産地だったため 前田家により一般人の立ち入りを禁止された山であった とありました なお、戸室石(とむろいし)とは 医王山、戸室山(548m)、キゴ山(546m)で採れる 火山岩の一種である安山岩で 40万年前に地表付近にマグマが噴出したものが 冷えて形成されたものといいます 現在は休火山である医王山などの火山活動によって 生成されたと考えられています 藩政時代より金沢城の石垣や 兼六園の石橋、庭石、墓石などに使われてきたそうです 御影石に代表される花崗岩(深成岩の一種)より加工しやすい反面、もろく 兼六園の石橋は架け替えたり、もろくなると通行止めにしたりしているそうです さて、医王山では「医王五色」と呼ばれる 黄色、赤、緑が入る石も採れるのですが たいへん希少で また。五色を謳っていても、赤が少なかったり赤が暗かったりするものばかりです また、医王山の石は、富山県側の小矢部川ばかりでなく 石川県川の浅野川や、森下(もりもと)川へも入ります 浅野川では「浅野川錦石」という私が求めてやまなかった石が採れます 森下川では、珪酸の多い母岩に、米粒大の玉髄やオパールが混入する 「医王山孔雀石」という石が採れ、水石ブームのときに騒がれたといいますが 医王ダムがつくられた現在、採取できなくなったようです クリックすると写真が拡大表示されます 横19×高さ(台込)28.5×奥17 およそ9.5㎏ この石の「赤」は、朱に近く鮮やかで 一級品の小矢部川の紅石です 富山県の高道万石堂さんよりいただきました 横16×高さ11(台なし)×奥9.5 1629g この石の「赤」は、紫がかった濃く鮮やかな赤で 佐渡とも、北海道のピリカともまた違った色合いです こぶりながら一級品の紅石です 石川県の白山紋石庵の山下さんよりいただきました 横16×高さ(台なし)11.5×奥7 1383g 小矢部川産 原石 佐渡の錦紅石のような色調です また、佐渡の錦紅のような泥質を含む石とは違い ほぼ全部がジャスパーで 質がとてもよいです 横13×高さ(台込)15.5×奥8.5 1915g この石は、医王山産で、赤は明るく鮮やかで 黄色の混じり方もよくなかなかいい石です 白山紋石庵の山下さんよりいただきました 横17.5×高さ14×奥12.5 およそ3.5㎏ 小矢部川産 原石 横12×高さ22×奥7.5 およそ3.3㎏ 川ずれ、超硬質 小矢部川の黄玉としては最高です 横18×高さ22.5×奥17 6㎏強 小矢部川産 原石 頭の赤は、写真よりも実物は明るいです 医王五色石 横16×高さ11×奥13 2748g 五色石の基本は、緑、黄色、赤です この三色が入るものを五色石と呼びます これに三色の中間色が混じるとさらに多色になるわけです この三色が入るもの、五色のジャスパーというのは あるようでなかなかありません 佐渡にしろ、医王山・小矢部川にしても そうあるものではない希少な石です 白山紋石庵の山下さんよりいただきました 横18×高さ(台込)15.5×奥10.5 3㎏強 このタイプの石は医王五色というより 医王山錦紅石と呼んだほうがいいように思えます 希少な石です 白山紋石庵の山下さんよりいただきました 横11×高さ(台なし)5.5×奥7.5 572g 小品ですが、綺麗な色彩石です 白山紋石庵の山下さんよりいただきました 医王山の錦珪化木 横9×高さ(台なし)12.5×奥5.5 560g 小品ですが、赤がとても鮮やかでみごとです 実際には、もう少し赤が濃いですが、朱色です 白山紋石庵の山下さんからいただきました 横13.5×高さ(台込)12×奥7 1278g 医王山の錦珪化木の傑作 白山紋石庵の山下さんからいただきました 医王山孔雀石 横17.5×高さ15(台込)×奥13 3㎏強 医王山の石は、富山県側の小矢部川ばかりでなく 石川県川の浅野川や、森下(もりもと)川へも入ります 森下川では、珪酸の多い母岩に、米粒大の玉髄やオパールが混入する 医王山孔雀石という石が採れ、水石ブームのときに騒がれたといいますが 医王ダムがつくられてからは、採取できなくなったようです 富山県の高道万石堂さんよりいただきました 横26×高さ(台込)16×奥16 およそ4.5㎏ 鮮やかな緑のジャスパーに孔雀の紋が入る 素晴らしい石です 白山紋石庵の山下さんからいただきました 山下さんが森下(もりもと)川で自採した石です 浅野川錦石 横31.5×高さ(台込)12×奥14.5 5㎏弱 この石は、医王山から小矢部川でなく 石川県の浅野川に入った石で 「浅野川錦石」などと呼ばれるものです 石の特徴は、緑が多く どういうわけか ジャスパーと瑪瑙の中間のような透明度をもつことのようです やっと入手できた幻のなかの幻の石です この石が、石川県の水石展に出品されていたのを 愛石家のブログでみつけ 白山紋石庵の山下さんに 「出品者を調べてもらいたい」 「お金で手ばなす意志があれば欲しい」と 伝えたところ 出品者が、石をよく買っている高道万石堂さんだとわかり 入手することができたのです 横19×高さ(台なし)16×奥11 およそ4㎏ この石も、浅野川錦石で、こちら側から見ると あきらかなジャスパーですが 裏側は、やや瑪瑙化している感じです 素晴らしい石です 白山紋石庵の山下さんからいただきました 本来、こっちを表として台座がつくられていました
|