茅 舎 石 (くずやいし) 家の形を表す石を茅舎石と言います 本によっては、茅葺石の漢字を用いているものもあります 姿石の類と言えます 好きなひとは熱心に収集しておられますが 山形石一辺倒の私は、正直、興味が薄く いくつかしかありません なお、茅舎石に限っては 大きいモノより、10~15センチのもののほうが 良品とされるようです また、屋根だけでなく 下にも土台のうけ石があることを 良品の条件として語られる方もいます クリックすると写真が拡大表示されます 北海道 幸太郎石 横20.5×高さ(台なし)13×奥8 1508g ひっくり返して 山形でも観れて これはこれでなかなか面白い景色です 秩父 糸掛石 横8×高さ(台込)9.5×奥5.5 316g 秩父 糸掛石 横16×高さ10.5×奥7 1277g 北海道 豊似石 〔岩上茅舎石〕 横19×高さ(台込)15.5×奥8.5 1314g この石は頂上の天場に、茅舎石(くずやいし・家の形を表す石)がのっかっています このような石は、岩上(がんじょう)茅舎と呼ばれます なお台座の一部(右)が破損して直してあります また、このように台座に彫刻を加えると 石が主役なのに台座が目立ち 石が死んでしまうので、私は好きではありません 八海山石 横25×高さ22×奥18 10㎏弱 茅舎(くずや)風の雨宿り石です 渓谷にかかる猿橋の景でも 観賞できる石です 多摩川石 横6×高さ(台込)5.5×奥3 135g この石は、多摩川石愛好会 2代目会長の故中村戯石よりいただいたもので 台座も中村さんの作です 中村さんは茅舎石がたいへん好きだったようです 石質に魅力がない石ではありますが 下に土台「受け」があって 形がまぁまぁよく 大きさも、添え石としての茅舎にはちょうどいい感じです 多摩川石 横9×高さ(台込)6×奥5.5 280g 笹本さんの自採石です 台座は、多摩川石愛好会二代目会長の中村戯石(ぎせき)氏作 多摩川石 横11.8×高さ(台込)12×奥8 911g 裏側 「受け」と呼ばれる底の部分があることが 茅舎石(くずやいし)の良し悪しの1つの条件です この石はちゃんと「受け」を持ちます 笹本さんの自採石です 茅舎石としてはベストな大きさです 馬淵川石 〔岩上茅舎石〕 横20×高さ(台込)16×奥12 3㎏強 この石は、茨城県結城市の水石業者 株木さんよりいただきました 岩上(がんじょう)茅舎石(くずや)の お手本のようなみごとの景ですが 底を直してあります たくさんの石を扱ってきた 株木さんすら 「いままで見たことのない底の直し方だね」 と語るほど 珍しい底の仕上げ方で 「自然に割れたかもしれない」 とのも言っておられましたが 自然にしては不自然です 上がみごとなのと 馬淵川(まべちがわ)というあまり出ない産地の石ということで いただいてきました 馬淵川は、北上山地北部に発し 北流して青森県八戸市の北で太平洋に注ぐ 長さ142kmの馬淵川水系の本流です 多摩川石 横7.5×高さ(台込)6×奥5 199g 200g程度の石ですが、茅舎なので ちょうどいいくらいの大きさです やや上から よい台座です この石は、笹本さんが、上野グリーンクラブの会長 関根さん(故人) という人からもらった石とのことでした おそらく、伝承されてきた多摩川の茅舎石を 茅舎石が好きな笹本さんにもっていてもらいたかったのではないか と思われます
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