緋山酔恭「山水石美術館」 全国の水石・美石を紹介 紋様石・絵画石


紋 様 石




紋様石というのは、多くはふつうの川原の石で

天工の妙を楽しむものです



「よく自然にこのような紋様ができたものだ」

と感じるところに楽しさがあります



紋様石の愛好家も多いです

私も当初は、紋様石にちょっと魅かれました

しかし、しだいに興味が薄れ

私のなかでは

水石のおまけにすぎなくなってしまいました






クリックすると写真が拡大表示されます






梅花

(秩父 荒川上流)





横7.5×高さ9.5×奥3  296g















椿(白)

(秩父 荒川上流)








横9.5×高(台込)17×奥6  1800g




花に黄色の芯まであります

まさに天工の妙ですね










椿(赤)

(秩父 荒川上流)





横9.5×高(台込)14.5×奥6  855g


子供のお絵かきのようですが・・・











(静岡県 大井川)






横13.5×高さ(台込)11.5×奥4.5  863g










これは特別にいい紋様石です


これだけいいと「作ったモノではないのか?」

との疑問もあるでしょうが


ホンモノのはずです



よく、白い石(花崗岩など)に、図柄を描き

周りを黒く染めた作り石をみかけます


こういう石は、私の経験からすると

白い石を染めたものですから


1、絵柄は白いです


2、白の絵柄は、部分的に若干サビをつけて

ホンモノらしさや古さを出したりしています


3、しかし石全体の色彩が単調で

濃淡に欠け、不自然さを感じます


4、ちょっと洗ったぐらいでは、色落ちしませんが

濡らしたタワシに洗濯用の粉石鹸をつけて

石をなんどもなんどもこすっていると

徐々に黒の部分が白っぽくなっていき

絵柄と同化していき

絵柄が消えていくので、判別は明瞭です




じつは、私も、石をはじめた当初

そうしたニセモノをホンモノとして売りつけられました(笑)


絵柄は、梅にうぐいすでした


秩父の荒川は、梅花石で有名なので

梅花石にうぐいすが出た石だと信じ込んで

大喜びでいただいてきたわけです


石を数年やればバカでもわかります

「これって墓石とかドラえもんの像なんかをつくる花崗岩だろ」

ってことが・・・


しかし、はじめたばかりは判らないんですよ(笑)



ただ商売なんてそんなものだと思っているので

のちに別の石と交換してもらって

いまも、その方とはお付き合いしていますよ




そうした石に対し

この石は緑の母岩に白の石英?が入り込んでいて

加工しようがないことが分かります




姿石では「観音」

紋様石では「鶴」は別格の人気を誇ります












(高知県 四万十川)





横10.5×高さ(台込)16×奥4  936g




鶴亀 揃いました


以前、亀のいい紋様石(利根川石)も持っていたのですが

鶴が手に入る前に譲ってしまい、亀甲石の姿石で代用していましたが

ヤフオクにこの石が出たので落札しました


ヤフオクの写真よりもよい石でした

紋様の部分が銀ねず色であることからか、全体に渋みを感じさせます



実物は掲載した写真よりも黒いです

青味が強くでています

(これでも青をマイナス15修正・写真を暗くするのは可能ですが

黒くするのは不可能)












(利根川)





横17×高さ(台込)10×奥10  2220g




利根川の亀、買い戻すことができました

この石は、私に最初に石を教えてくださった師匠の自採石です



紋様石としては、石の質もよく

川ズレも効いています

真ん中の白い線がいいですね



台座は、関東一とうたわれた桐生の小黒さんの作です




亀が産卵しているようにも

雲に乗っているようにも見えます













鶴・カワセミ

(秩父 荒川上流)








横11×高さ5.5×奥7  530g








飛翔する鶴






鶴亀





カワセミ






川に飛び込むカワセミ









ツバメ

(秩父 荒川上流)





横14×高さ(台込)15×奥4  1287g













ハヤブサ? 鷹?

(神奈川県 湘南海岸)





横2.5×高さ(台なし)6×奥2.5  43g





富士(下仁田菊花石)・鷹(湘南海岸石)・なすび(荒川石)













(新潟県 糸魚川)





横9×高さ9×奥2  306g













横11.5×高さ4.5×奥5.5  545g




糸魚川には、薬石という石があります

火山岩の一種である流紋岩ですが

ラジウム鉱石として、微量の放射線を出していることから

お風呂にいれると、ラジウム鉱泉の効果が得られるなどとうたい

販売されています


しかし、薬石は

火成岩や花崗岩のような深成岩に一般にみられる

自然放射能の範囲にすぎないようです



また、鉄分による褐色の美しいし縞模様があり

景色がいいと絵画石となります


一般に薬石というと軟らかい石ですが

この石また1つ前に掲載した石も薬石の一種で

硬質の薬石かと思われます







松竹梅

梅は、荒川の梅花石












(静岡県 大井川)





横12.5×高さ(台込)12×奥6.5  1231g




節まであります










石をひっかいたり叩いてて

白を出している様子はみられません










船頭と舟

(荒川石)





横14×高さ8×奥5.5  950g





荒川上流部 長瀞渓谷ライン下り  転写





流れに竿(さお)さす船頭さん  左に雲









白馬

(渡良瀬川産)





横11×高さ(台込)12×奥5.5  872g







茨城県結城市の水石業者 株木さんよりいただきました


株木さんによると

「全く自然だと思う」とのことですが

顎の下あたりは怪しさが残ります












〔武儀川(むぎがわ)産〕






横8×高さ(台込)8.5×奥1.5  183g




可愛いです


メルカリを通して

石集め太郎様よりいただきました










梅にうぐいす

(利根川梅花石)





横9×高さ(台なし)11.5×奥5  855g














銘 源氏物語

(揖斐川石)





横13×高さ(台込)8.5×奥7.5  1021g











台座が秀逸です





後ろに殿方もいます






実物の石は、ヤフオクの写真よりずっと黒いです










紋様石で、3万を超えるものはめったにありません


ヤフオクで3万ならば、業者から買うと5~7万はするでしょう


とはいえ、この石は、紋様石に限らず

揖斐川から出た石のうち

十指に入る名石かと思います










銘 玉虎一声

(揖斐川石)





横16.5×高さ(台込)12×奥8  1749g




















日本愛石館 館長の故 小森宗閑(勝文)氏の箱つきで

「玉虎一声」という銘がついていました



ヤフオクでときどき

「日本愛石館館長 小森宗閑の箱書き」という石が出品されますが

小森宗閑をネットで調べてもよく判りません




ただ小林宗一という宗閑さんの師匠については判りました


小林宗一氏の生没は1891年(明治24)から1969年(昭和44)です

昭和35年に、揖斐川愛石会を創立し、会長に就任

昭和36年には、国歌に詠まれている「さざれ石」を発見

実在する石であるとして、公式制度連絡調査会に建白書を提出しています


そして昭和42年に日本愛石館(石の博物館)を完成させ

初代館長になられたようです



なお、小林宗一氏は

小林宗閑(小森でなく)と称したようです



月水苑の月水先生は

当初、盆栽界に身を置き

そこで水石を知って

揖斐川の支流本流を探石、踏破してしたそうです


その際いつも、探石帰りに

林宗閑先生の愛弟子である

高橋克馬先生に、石を見てみらっていた

といいます




小森宗閑(小森勝文)さんは

日本愛石館2代目館長ということのようです


また前述したとおり、宗閑という雅号も2代目で


宗閑を名乗る前は、崇石や凡堂と称していたようです




宗閑さんによると、初代の小林宗一氏は

揖斐川町の目貫き通りで呉服の店を張る青年実業家であり

繁盛店の経営者だったそうです


茶席に用いる石に意を注がれ、石の世界に入り

一流の墨客や芸術家を訪問して交流を深め

自己の鑑識眼を確かめていかれたといいます


また日本愛石館が完成してからは

館長として席の暖まる間もないほど多忙な日々であったそうです





宗閑さんや古潭の大家として知られる吉田凡石さんは

石でご飯を食べていたわけで

純粋な趣味人ではありません



凡石さんは、拾った石を

神居水石庵の陶山さんのところに

売りに行っていたそうです


つまり、拾い屋さんです




また彼らは、書が達筆で

自分の石でなくとも依頼されれば、銘をつけ

箱書きや札書きしてあげていたようです


俗な言い方をすればそれで飯を食っていたわけです




なので、宗閑さんの箱書きというのは

やたらとたくさんあり


日本愛石館館長 小森宗閑 の書き込みのある桐箱は

根尾の菊花石業者のあいだで売り買いされているほどです


すなわち、宗閑氏の箱書きがあるからといって

実際に、宗閑さんが所有していた石かは判らない

ということです




但し、宗閑さん云々を抜きにしても

この石はなかなかの名石です










「山」 文字石

(秩父 荒川上流)





11.5×9×5.5  719g









太陽と月



太陽

(秩父 荒川上流)





横412×高さ(台込)13×奥6  1159g




太陽石(日の出石などと呼ばれる)というものは

そんなに珍しいものではありません


なので雲がついていたりしないと評価がつかないですね








南アルプス主峰 北岳の旭日









太陽

(利根川石)





横125×高さ9×奥6  1184g


この石は、太陽の色が特別綺麗で

ジャグレもあるので

ちょっと捨てがたいといったところです


赤い月と観ることもできます








日本100名山 南アルプス 聖岳にて朝日









三日月

(神奈川県 湘南海岸)





横4.5×高さ(台なし)8.5×奥3.5  172g

紋様石の丸い月や太陽は多いですが、三日月は意外に少ないです

石質もよく、たいした石ではありませんが捨てがたいという感じです










満月

(利根川梅花石)





横9×高さ(台込み)9.5×奥5.5  548g












月と星と雲

(利根川梅花石)





横11×高さ(台込)14.5×奥5.5  805g









絵 画 石



絵画石の産地として著名なのは

福井県の九頭竜川、新潟県糸魚川地方の姫川(薬石)

岐阜県の武儀川(むぎがわ・長良川水系)あたりでしょうか・・・






月に山岳

(秩父 荒川上流)






横19×高さ19.5×奥10.5  およそ6㎏








槍ヶ岳近くの裏銀座ルートから見た槍ヶ岳







荒川では絵画石はめずらしいです









波濤断崖

(福井県 九頭竜川)





横22×高さ(台込)17.5×奥5  2151g





隠岐の島  摩天崖



この石は、表面を磨いたようです

艶出し剤は塗っていない感じがします









里山田園

(岐阜県 武儀川支流 神崎川)





横16.5×高さ(台込)18.5×奥4.5  1690g







巾着田より日和田山(305m)  転写





この石は、満天菊さんよりいただきました

武儀川の支流 神崎川で自採したということでした


なお神崎川は、菊花石の仲間で

「紅梅石」というのが採れる場所です








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