緋山酔恭「山水石美術館」 全国の水石・美石を紹介 只見川石 只見川石


只見川石





伊南川(いながわ)・只見川は、質、量ともに

東北最大の水石の産地と言えます

なお伊南川の石が只見川に入りますが

阿賀野川まではいかないようです



伊南川は、福島県の会津地方南部を流れる阿賀野川水系の河川です


福島県南会津郡檜枝岐村の栃木県との境に位置する

帝釈山脈に源を発する実川(さねがわ)が

檜枝岐川(ひのえまたがわ)となり

南会津町で舘岩川と合流して伊南川と名前を変えます


北東へ流れ、徐々に北西へ向きを変え

只見町で尾瀬を源流とする只見川に合流します


只見川は、伊南川、野尻川、滝谷川を合わせ

福島県喜多方市山都町三津合で阿賀川(阿賀野川)に合流するそうです





伊南川、只見の最も基本的真黒の特徴とは

黒の濃い、薄いはあっても

一色ではなく


緑というか 緑っぽいっぽい青?

水色っぽい緑?

みたいな色が混じっているということにあります







例えばこの石なんかは

一見、神居古潭そっくりなのですが

緑というか、緑っぽい青というか別の色がまじっていますよね





伊南川、只見川のなど東北の石を専門的に扱っている

茨城県結城市の水石業者 株木さんによると





この青石が、伊南川、只見川で、擦れるにしたがって








このように変化していくのではないか?

ということですが・・・・








クリックすると写真が拡大表示されます






横15.5×高さ27×奥20  8.5㎏弱







この石は、かなり硬質の只見です

左上に少し錆が出ていて

全体的に枯れた感じがします


このように硬質の真黒や蒼黒に

枯れが加わった石というのは、多摩川石の好きな人が好むところですが

これだけボリュームのあり、しかも硬質の枯れ真黒というのは

多摩の石ではなかなかみかけません


茨城県結城市の水石業者 株木さんよりいただきました












横26×高さ12×奥16  6.5㎏弱
















左の山頂直下に溜まりがあり

手前にみごとな谷があります


最初の石に比べると質は軟らかいのですが

このような景の優れたものとしては

硬質です

他の産地でここまで景のある石はもっと軟らかいです


茨城県結城市の水石業者 株木さんよりいただきました












横18×高さ9×奥7  1287g




この石は、質よりも、養石の妙を楽しむものです


だいぶ昔に、ヤフオクで落札しました





【 養 石 】


石を雨ざらしにして、さらに水をかけては、太陽の光で乾かす

これを何十年と繰り返すことにより、黒く古びた感じにすることを言います


養石することを≪時代をつける≫と言います

なお、これは、石の表面が、化学反応によって変化したことを意味します


また「家の中で、水盤に載せて、週1回くらい水をかけるだけでも

十分に時代がついてくる」

「むしろそれくらいのほうが、石が持つ、

本来の肌質を損なわずに、時代がのせることができる」

と語る水石業者さんもいますし

新聞紙でくるんで置くだけでも時代がのってくるという人がいます


また、瀬田川の虎なんかは、基本、柔らかい石で、加工しやすく

水石になっているもののほとんどに手が入っています

こうした瀬田の虎は、さらになにかを塗って黒くしたものが多いですが

それを「もちこみが古い」などと言っている場合もよくあるので注意が必要です







ここで水盤の砂について、おもしろい情報を1つ



私の写真にみられる水盤の砂ですが

株木さんからいただいたもので

猪苗代湖畔で採取された砂だということです



水石の観賞は、水盤に置いた石に水をかけてみますが

株木さん曰く

「鞍馬砂だと石にくっついてとれにくいが

猪苗代の石はサラサラしているので最高」

とのこと



その猪苗代の石ですが

猪苗代湖畔のとある一角で採れるそうです


一度、採取するとしばらく採れなくなるそうですが

5年くらいするとまたその一角に集まってくるらしいのです


なので5年おきに、トラック満杯に採ってくる人がいて

その人から砂を買い

ふるいにかけて、荒いモノと細かいモノに分けているそうなのです



それにしても5年くらいすると猪苗代湖畔のあの一角に集まってくる

というのは自然の不思議さを感じさせるじゃありませんか!!



なお、私は石に水をかけるのはあまり好みません

なぜなら質の悪い石もよく見えてしまうからで

石を購入する場合、乾いた状態で質のよいのが基準です












横24×高さ11×奥16  およそ4㎏
















この石は、緑の只見です

珍しいと思います

ジャグレと溜まりを持ちます


だいぶ昔に、知り合いから譲ってもらった石で

その人は、東京の板橋の業者さんより買ったと言っていました












横25×高さ13×奥20  およそ6.5㎏










この石は景はたいしたことはありません

しかし色が珍しいです

このような真黒石系統の硬質な石で

これだけ青いというのは、神居古潭石にもなく

私の知る限り他の産地にもありません


青幸太郎の芯と思われる石を、幸太郎石で紹介していますが

それとも違います



茨城県結城市の水石業者 株木さんよりいただきました











横25×高さ14×奥24  およそ9㎏




川ズレのところはこの写真よりずっとツヤがあります













川より揚げられてから

部屋に数年ほど放置しておいたら

少し黒くなってきました

















硬質の石がみごとにジャグレていますが

それに加えてこの石のよさは石が丸いところですね

大きさも10㎏近くあります

色も青味を帯びていて

黒でないところがむしろいい感じです


茨城県結城市の水石業者 株木さんよりいただきました












横24×高さ20×奥13  5.5㎏強










この石もご覧のとおり、みごとな質です

色は黒にやや緑が混じった質の混じる

典型的な伊南川・只見川の石です


ボリュームもあり、形もまぁまぁです


私は基本、底切り石は買いませんので

もちろん、底も自然で砂に少し埋まっています


茨城県結城市の水石業者 株木さんよりいただきました












横17.5×高さ(台込)17.5×奥12.5  4㎏弱








茨城県結城市の水石業者 株木さんよりいただきました











横22×高さ(台込)12.5×奥14  およそ4.5㎏






















伊南川・只見川の真黒の典型的なもので

黒一色でなく、緑(緑っぽい青)が混じっています













景にめぐまれた山形土坡です

色がやや薄いのですが質もよく、手触りがなめらかです



茨城県結城市の水石業者 株木さんよりいただきました











横17×高さ(台込)6.5×奥10.5  752g






















小型ですが

只見の真黒のとりわけ質のよいものです











横21×高さ11.5×奥20  およそ6㎏弱


















この石は

「もちこみが古い」 云々 いう石で

油を染み込ませた布で何度も吹き込んで

色と艶を出している石です



もともとは私の最初の石の師匠が

友人と石の交換で入手したものを

譲ってもらいました


以来、30年くらい所有しています


溜まりをもつゆるやかな山並みの連山形で

右手前の一文字と、白い星が効いていま








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