「山水石美術館」 日高翡翠・長崎翡翠・若桜翡翠・利根川翡翠・荒川翡翠


各地の翡翠



そもそも「翡翠」とくくりますが

「硬質翡翠」(ジェダイト)と「軟質翡翠」(ネフライト)に

鉱物的なつながりはなく、見た目では区別がつきにくいことから

どちらも「翡翠」(ジェード)と呼んでいきたそうです



歴史的経緯は

中国では、軟玉(ネフライト)しか採れず

古代より中国で価値ある宝石とされてきましたが

18世紀に入りミャンマーでジェダイトが発見されたため

ネフライトは軟玉と呼ばれ区別されるようになったといいます



日本では、地方の緑色の石を

産地名をつけて長崎翡翠とか日高翡翠などととよびます


こうした石は、産出量が少なく、採掘できなくなっているものもあり

鉱物ファンにとっては、本物の国産翡翠と同等

あるいはそれ以上に惹かれる存在となっているようです


そこには絶滅した動物、マンモスやナウマンゾウなどを

捕獲しているような心情があるなどと表現されているかたもいます



一方、別の土地でなら〇〇翡翠と呼ばれたはずであろう石が

姫川の河原やヒスイ海岸にあるばかりに

本物翡翠に似たあやしい石とさげずまれて

「キツネ石」とよばれているわけです









日高翡翠



日高翡翠は、昭和39年(1964)に

函館市在住の資産家、久保内貫一氏が

日高山脈には緑の石が多いから

「ここには必ず翡翠がある」と考え

日高町在住の村上晃氏に翡翠を見つけるよう

要請したことに始まるとされます



2年後の1966年、日高町の

千露呂川(ちろろがわ・沙流川の支流)の支流

ペンケユクトラシナイ沢に翡翠様の石が発見されました


折しも来日中のアメリカ地質調査所のコールマン博士と

北海道大学の八木健三博士とが問題の露頭を見て

「軟玉ひすい発見」という記事を北海道新聞に寄稿したといいます



翡翠には、ヒスイ輝石からなる硬玉(ジェダイト)と

角閃石からなる軟玉(ネフライト)がありますが

その後の研究で、日高翡翠は、クロム透輝石からなり

本来の翡翠ではないことが明らかになりました


日高翡翠は、クロムを1%含むクロム透輝石を主体に

種々の鉱物が緻密な構造を成す「クロム透輝石岩」だそうです




ただ、翡翠のように織物状の構造をしていて

強靭でいろいろな細工に耐えうること

透明感や緑の美しさが翡翠と遜色ないことから


1980年、日本宝石学会誌に

「北海道千栄産クロム透輝石ヒスイ」と公表され

国際的に第3の翡翠として公認されることとなったとそうです





「橄欖岩」(かんらんがん)から「蛇紋岩」に変質するときに

放出されたカルシウム成分を


周りの石か取り込むとで

「ロジン岩」(ロディン岩)が生まれます


(ロジン岩は、糸魚川ではキツネ石と呼ばれるものの1つ)



蛇紋岩が、ロジン岩を形成し

ロジン岩が日高翡翠形成に

大きな役割を果たしていると考えられています



なお、ロジン岩は、透輝石、単斜灰簾石

ぶどう石からなる岩石で

色が白く、きらきらの結晶がみられるので

翡翠と非常に紛らわしいとされます


比重も3以上あるため、比重測定では

翡翠とロジン岩の区別は困難とされます


〔ジェダイトの比重は3.2~3.5

誤差を考えると

3以上ならジェダイトの可能性大とされる〕


但し、ロジ岩は振動に弱く、たやすく割れるそうです



また、糸魚川の透輝石は薄緑色で透き通っていて

他の鉱物と共存しロジン岩と呼ばれる岩石の

構成鉱物になっているそうです




日高翡翠は、装飾品用に加工されるなどして

昭和40~50年代に広く販売されたといいます


但し、日高翡翠の原石自体は

発見から3年ほどで採掘し尽くされたようです


また高品位の日高翡翠は、取りつくされたとされていますが

今でも日高の町を流れる沙流川では

まれに拾える事があるようです





10年以上前に、日高の水石業者 貝澤さんよりいただいた画像

日高翡翠の最高の質で

先代が採取したものとのことでした




クリックすると拡大表示されます




ラベンダーっぽい色の入った日高翡翠もありました



クリックすると拡大表示されます









これは日高翡翠の細工物で

香炉と言っていたかと思います





クリックすると写真が拡大表示されます





横10×高さ6.5×奥8  856g




この石は、亡くなられた一選堂(旭川の水石業者)の相内さんに

下の石と一緒にいただきました


見るからに、透明感を感じさせるる石です











横26×高さ16×奥18.5  およそ10.5㎏










この石は、亡くなられた一選堂(旭川の水石業者)の相内さんに

日高翡翠を収集している人にあたってもらい入手した石なので

間違えない日高だと思います



川ズレのウブ石です


今となっては記憶が曖昧ですが

その収集家は、女性だと言っていたとように思います




近年(といっても10年くらい前から)、ヤフオクやメルカリに

わりとよく日高翡翠が出品されるようになっていますが


以前は、相内さんがたまに出品するくらいで

あとは、破片のような石しか見なかったのです





そこで、地元 日高の貝沢さんにも聞いてみたところ

前述した石の画像をいただきました







しかし
どっちも「日高翡翠だ」と言われても

全く違う石に見えて

日高翡翠の全容がつかめず訳わからなかったのです




また、当時から、日高翡翠博物館の画像は

ネットにあがっていました



この北海道博物館協会 学芸職員部会

https://www.hk-curators.jp/archives/1278

記事と写真がそうです





ただこの写真と、貝沢さんが送ってくださった

2石の画像との接点が分からず

やはり「日高翡翠ってなんなんだ」という状態でした






一方、この写真からは

「日高翡翠は、黒いツブが入るんだ」

と理解したりしました






相内さんからきたこの石は、黒いツブが見られ

容易に日高と判断できます






しかし、これも日高だと言われても

「ホントに日高かな?」という疑念を

ぬぐい切れないところがあったのです




また、糸魚川の翡翠は、白が基本です

白が翡翠で、そこに色味の成分が混じって

緑や青の色がでています


なので、この石の白い部分が翡翠で

深緑の部分は、蛇紋岩なのだろうか?

でも、この石の白い部分って、そんなに硬くなさそうだけど?

と思ったりしていたわけです


なにしろ日高の全容を知らないので

訳わからない状態のままでした




本石が日高翡翠と確信が持てたのは

最近、入手したこの石によります





のちに入手した100%日高翡翠の石と

白い部分の質が全く一緒なので

本石も日高翡翠であることは確信したわけです


要するに白い部分は、翡翠ではなく皮目だったのです




さらに、金沢市の鉱物標本店 石の華さんの

ようこそ石の華へ 鉱物の部屋へのいざない

https://blog.goo.ne.jp/ishihana427/e/f70657
f82a941990a5bf0fb797452324?fm=entry_awp


というブログにこうあります


【 私はどちらかと言うと翡翠は苦手な石です

それは肉眼的にわかり易い結晶が無く、鉱物と言うよりも岩石だからです

翡翠には硬玉(ジェダイト)と軟玉(ネフライト)がありますが

日高翡翠は翡翠輝石ではなくクロム透輝石からなる岩石で

第三の翡翠と認定されています

(翡翠はややこしい石です。例えば、インド翡翠はアベンチュリンですし

長崎翡翠はニッケル菱苦土石です

それから、似たような石が多く、肉眼鑑定が難しい石です)

ただ、今回の日高翡翠には興味深い模様が付いており、面白いと思いました 】






10年来、「この石、ホントに日高翡翠かな?」という

疑問を持ち続けていましたが

本石も、白い脈線が複雑に幾重にも折り重なる

模様を有しています




石の華さんのおかげで1

間違えなく日高翡翠というのが分かりました




さらに、埼玉県の児玉郡神川町で

庭石とかを販売なされている

61STONEさんがヤフオクに出している

この石によって、日高翡翠の全容をようやく

知ることができました





この石はすごいです!!

日高の全部の特徴を示しています


また、全体としての景色も抜群によいです

しかも、160キロ超えで、32万円 めちゃくちゃ安い

ただ、大きすぎて置くことができません












以下の石も

61STONEさんがヤフオクに出している

すごい日高(磨き)です

88㎏あるようです









61STONEさんのこうした石によって

日高翡翠には宝石質の部分と

脈線が複雑に幾重にも折り重なる部分とがあって

大きな岩石を成立させていることが

はっきりと知るに至りました












21×18.5×10.5  5.1㎏











この石は、ヤフオクで落札しました


商品説明に

日高ヒスイの透過部分が映える美しい個体になります

50年以上前に僅か数年で枯渇した貴重な鉱物です

宝石質の原石としての一般的な流通はほぼないです

透過の多い部分をを3000番まで磨いておりますので

鑑賞石と標本としてそのままお楽しみいただけます

とありました




緋山が、相内さんより日高翡翠を入手してから

何年も経ってから

突然、地元の愛石家の方が、ヤフオクに

日高を放出しはじめました


当時は、日高の大きさのあるものが

ほとんど出てくることはなかったので

こぞって入札した感じがありました












この写真の上は磨いていない


23.5×11×9  2948g




この写真の左は磨いてある





この写真の上は磨いていない



1つ前の石と同じ出品者より

ヤフオクを通していただきました










商品説明に

日高ヒスイの鮮やかな緑色と模様が美しい個体になります


透過性はあまり高くありませんが

日高翡翠独特の模様と鮮緑が際立つ

鑑賞石としては一級品だと思います

とありました




この石によって

全容は分からないものの

日高翡翠には、宝石質の部分と

脈線部分があるのだな

という理解を得たわけです












横26×高さ16.5×奥16  9.8㎏
















ヤフオクを通して地元の方より入手

お気に入りの日高翡翠です

水で濡らすととても綺麗です



乾いた状態




乾いた状態



5年くらい石の趣味から離れていましたが

戻ってきて、ヤフオクで検索してみたらよさげな日高を見つけました






アカウントから、前の2つの石とは

別の地元の愛石家が放出したと思われます


近年では、日高が出回りすぎたのか

10㎏級のめちゃくちゃ綺麗な石で、この値段で落札できました




なお、石友さんも、同日ほぼ同時刻に

同じ出品者のこの石を落札しています




この石友さんと、これらの石について話をしたとき

「61STONEさんが日高の出品をはじめたけど

新たな鉱脈が発見されたのでしょうか?」

という情報を伝えてくれたので


前述の石にたどりつき




ようやく日高の全容を理解するに至ったわけです




お、日高山系十勝地方一帯は2024年夏頃

国立公園に指定されるので今後は、採取は難しくなるようです


というか

重機をつかって、大きな石を採取するなんてことは

昭和の時代ならともかく、できなくなっているはずなので

こうした石は、地元の方か

あるいは別の石屋さんがもっていたものを

入手なされたのではないかと思われます











立てて飾るのが一番よく見えますが

自立しません



壁に立てかける必要があります




台座を付けて、立てて飾るには

下を結構、カットする必要があるので

このまま立てかけて飾るしかないのかな?





41.5×16.5×10  13㎏







これだと自立します

ただ、写真では分かりにくいですが

かなり前かがみになっています


なので高い場所に置く必要があります




これは自立していません

ただ小石程度をかませれば、この状態になります





唯一、これが自立します





やはり、この石は立てて飾りたいですね

ちょっと母岩を見せる感じで




61STONEさんがヤフオクに出品した

その日に、即決で落としました






商品説明に

表だけダイヤモンド磨きでピカピカです

令和6年12月4日に仕上がりました

とありました



磨き上げたばかりの石をいただいたわけです


この52㎏で50万の石も同日に仕上げており

兄弟の石であることがわかります



クリックすると拡大表示されます



購入した石は

わりとアップルグリーンに近い部分が入っているばかりでなく

鮮やかな緑、濃い緑、青緑といった

様々な緑が混じりあって、素敵な景色となっています


この大きさで、これだけの表現を示している

日高は、なかなかないな という判断で落札しました



鑑賞石の場合

勾玉とかに加工するのとは違って

どれだけ加工できる宝石質の部分が多いかではなく

全体として景色ができているか

また、景色に味わいがあるかが問題となります





2024年の12/26日、61STONEの秋山さんに挨拶に行ってきました

(年明けに切ってもらいたい石があったので)

ご主人さん、お若い方です

展示してある石も観てきました



緋山が買ったのは52㎏の写真の裏になるそうです



裏 側



クリックすると拡大表示されます



なお、50㎏のこの石は、緋山の買ったものより数段上です


まず、緋山は色が面白く混じった石が一番好きなのですが

日高では50㎏という大きさがなくては、表現しきれない混じりの面白さがある

のを知りました


それと



表側のこの部分がめっちゃ質がいいです


要は、とくに表は全体として質がよい部分の割合が多いのです


余談ですが、他の石がもっとぜんぜんでかいので

この50㎏の石が小さく見えました (((・・;)



それから、石友のKさんからは

「最近、61STONEさんが日高翡翠をヤフオクに出しているけど

新たな鉱脈が見つかったのでしょうか?」

という話もあり聞いてみましたが

北海道の業者さんから引き取られたとのことでした

最後の(市場に出回るという意味で最後ということだと思います)

日高翡翠とのことです












別格 脈線の日高翡翠







33.5×20×10.5  11.5㎏

















札幌市の収集家の方から

メルカリを通して購入しました

値下げ交渉には応じてくれなかったたので

このままの値段で買っています






沙流川(さるがわ)の支流 千露呂川(ちろろがわ)、その支流

ペンケユクトラシナイ沢の石ではなく


40年ほど前に、沙流川の支流 仁世宇川(におうがわ)で

転石(川ずれというか谷ずれだと思います)

として採取されたものだそうです





七里さんに台座を作ってもらいました


材は、ブラックウォールナットだそうです

調べると、ブラックウォールナットは、北米を代表するクルミ科の落葉広葉樹で

世界三大銘木の一つに数えられる高級木材とあります























43×23×15  18.6kg





ヤフオクで、黒沢ストーンさん(埼玉県の石専門の業者さんのようです)から

3万5千円スタート、5万円の即決で出品されていて、即決で落としました









商品説明にこうありました

【 産地:北海道日高町(日高地区)やその周りの地域

1966年に北海道日高町で翡翠が見つかったと話題になりました

正確には翡翠ではなく、クロム透輝石の一種であり

クロムを1%ほど含有することにより淡い緑色を発色しています

日本で翡翠として主に扱われるジェダイト(硬玉)でも、ネフライト(軟玉)でもなく

しかしヒスイの特徴である織物状の構造をしていることや

色目や透明感などが翡翠に遜色ないことが認められ

番場猛夫博士(当時地質調査所)が、宝石学会誌に論文を公表したことにより

硬玉、軟玉に次ぐ「第三の翡翠」として世界で認められました

しかし、すぐに資源は枯渇した上に流通量は少なく、非常に貴重な鉱物と言えます

今後さらに希少価値が増すと思われ、さらには「幻の翡翠」として

鉱物マニアの注目を浴びることは必至です

他の成分としては、黒い斑点がスピネル、灰クロム拓榴石や

ペクトライトなどの角閃石類を確認することが出来る個体もあります 】



じつは、極上 脈線の日高翡翠をいただいた方から

おまけの石をいただいていたのです







裏 側

おまけなので、116gのマメ石です


この石は、最初に発見された鉱脈である

沙流川(さるがわ)の支流 千露呂川(ちろろがわ)、その支流

ペンケユクトラシナイ沢の石

とのことでした


このレベルの石を

極上 脈線の日高翡翠をいただいた方から購入するとなると

7㎏で20万くらいです


今回、黒沢ストーンさんからきた石は

このおまけの石と同質で、磨くと写真のようになると思います



だから3万5千円って、めちゃくちゃ安いのです

5万円ても超良心的な価格です

さすがに、誰かに即決で落とされそうに思えたので

その前に落としたわけです



現在、七里さんのもとに送って、磨き、台座を御願いしています






18㎏を超える大物なので

左1/3を切り落としてもらって、立てて飾ろうと考えていたところ

実物は、左部分も汚れているだけで、質がすごくよいのです


なのでどのように仕立ててもらうか

年明け七里さんと相談しつつすすめていきます










神居古潭石 翡翠系


神居古潭石(かむいこたんせき)については

神居古潭石とは

を参照してください




横29.5×高さ(台込)9.5×奥7  2273g




底切りなしの自然石






この石は、硬質の緑泥(りょくでい)の神居古潭石に

翡翠らしき石が混入しています

緑泥は、ふつう比較的、軟らかいのですが

この石は、指ではじくとキンキンと音がするくらい硬いです



亡くなられた一選堂(旭川の水石業者)の相内さんよりいただきました









長崎翡翠



長崎県でのヒスイ輝石の発見は、昭和52年(1977)

当時大学生であった、九州大学の西山忠男教授によります


西山氏は、卒業論文のため

長崎県の西彼杵(にしそのぎ)半島を調査していたとき

長崎市三重町の海岸で淡緑色の翡翠を発見したといいます



三重町三京海岸には1~1.5m大の翡翠の転石が

3個、保管されているらしいです


また、長崎市三重海岸に露出する緑色岩には

陽起石(ようきせき) 緑廉石(りょくれんせき) 緑泥石(りょくでいせき)

曹長石(そうちょうせき)などの変成鉱物と共に

ごくわずかですがヒスイ輝石が含まれていて

「三重海岸変成鉱物の産地」として

県の天然記念物に指定されています (1978年指定)



その後、西山教授の研究グループは、平成15年(2003)

三重町の琴海町(きんかいちょう)の小さな沢(戸根渓谷)で

世界的に珍しい石英入りの翡翠を発見しています


曹長石(そうちょうせき)という岩石が

ヒスイ輝石と石英に分解されるという化学反応によってできたと考えられ

その証拠に石英が含まれているそうです


宝石としての価値は低いものの

ヒスイ輝石岩中に石英の含有分が多く

地質学的に大変珍しいものであることから

市の天然記念物に指定されています





こうした翡翠輝石とは別に

観賞石とされてきた長崎翡翠というのがあって


これは、クロム、ニッケルによって色がついたドロマイト(苦灰石)と

石英が混合した岩石だといいます


ドロマイトとは、珊瑚などの生物が海底に堆積して石灰岩になった後

カルシウムの一部が海水中のマグネシウムに置き換わっ

て生成された鉱物だそうです


緑色はニッケル発色によるといいます


古墳時代には勾玉や管玉が作られたこともあったらしいです










横10.5×高さ(台込)21×奥8.5  2400g






翠似の長崎翡翠のニセモノも多いですが

ホンモノはこのように茶色が入るそうです

石は キラキラしています



長崎県の佳石庵の中路さんからいただきました











横12.5×高さ9.5×奥10.5  1720g







この石は、琴海町産で

翡翠輝石とも思える緑点がみられます

ジェダイトの長崎翡翠かな?










若桜(わかさ)翡翠



日高翡翠や、長崎翡翠がジェダイドでないのに対し

鳥取県若桜町の翡翠は、れっきとしたジェダイトです

基本、ラベンダー翡翠で、白や青もあるようですが、緑はないようです



糸魚川(青海・朝日・小谷・白馬を含む)の他に、国産のジェダイドは

鳥取県の若桜町、岡山県新見市の大佐山

兵庫県養父市(旧 大屋町の加保坂)が知られ



他にも、北海道の旭川市の神居古潭地区と幌加内町

群馬県下仁田町茂垣、埼玉県の寄居町

静岡県静岡市中河内川と浜松市(旧 引佐町)、

高知県高知市円行寺地区、徳島県勝浦川と眉山、愛媛県野村町

長崎県長崎市三重町と琴海(きんかい)町、熊本県八代市泉町、

などで確認されているようです



こうした各地のジェードのなかでも

若桜ラベンダーは、観賞石としての美しさをもっています

大佐山や大屋町加保坂の翡翠は、鉱物サンプルにはなっても

観賞石にたるような石は、まだ写真ですらみたことはありません





若桜町の北東の角谷という所で昭和40年(1965)に発見されたといいます

発見者は日本鉱物趣味の会の会員で一行寺という寺院の住職

中野知行(当時47)という人です


若桜のひすいも偶然の発見ではなく狙って見出されたそうです

このあたりには出るとめぼしをつけ、山を歩き回って探しあてたといいます

発見した大小約30ケのうちの1つは、1.7m、4.5トンもあったそうです


現在では角谷川では翡翠は見られないようです



若桜翡翠は、「氷の山」

(ひょうのせん・1510m、日本300名山)の西方山麓

三郡帯と呼ばれる変成岩の分布する地域

蛇紋岩が貫入したあたりに出たと考えられています


蛇紋岩は風化しやすいため、翡翠は転石となっている場合が多く

角谷川流域において発見された翡翠も全て転石であったそうです


その後探査を繰り返したそうですが

母床と見るべき岩石は発見できなかったようです







横18×高さ8×奥13  2524g



糸魚川の石とは、ラベの入り方が違います

表面は、ワックスが塗ってあるようです

これで7万ほどしました



写真は、やや青味が強く出ています












利根川翡翠



利根川翡翠は、群馬県沼田市片品川上流で採れるとあります

翡翠似の石でしょうが、なかなか美しい石です






横20×高さ(台込)9.5×奥11  1392g














秩父、荒川の翡翠



荒川の源流は、奥秩父山系の

甲武信岳〔こぶしだけ・甲州(山梨)・武蔵(埼玉)・

信濃(長野)の県境にある山。日本100名山〕

だとされます

下流で隅田川が分かれ、本流・隅田川ともに東京湾に注ぎます


荒川の上流、寄居あたりまでは、梅花石が拾えることで有名です




秩父の翡翠を調べてみると


埼玉県皆野町三沢地区、秩父市黒谷地区に

硬玉(ジェダイト)と軟質(ネフライト)


大滝村中津川に、硬玉

大滝村中津川渓谷上流の秩父鉱山に、硬玉


寄居町三品地区に、硬玉(石英岩中にわずかにみられる程度)


が出るとあります



三沢川は、荒川に注ぐ小さな川で

三沢川上流では、蛇紋岩と一緒に軟玉(ネフライト)が

見つかることがあるといいます


このネフライトの秩父翡翠で作られた

平安時代の石帯(皮のベルトに装着する装身具)が

旧妻沼町(現熊谷市)の鵜ノ森・入胎遺跡で出土しているそうです





熊谷市江南文化財センター所蔵  転写








昭和40年刊行の木耳社「水石」 村田慶司にみられる

秩父の翡翠





とありますが


村田氏のこの話がおかしいのは

翡翠の場合、緑のところが「翡翠」であとは母岩というのではなく

翡翠の基本は「白」で、それに別の鉱物が混じったところが

緑になったりラベンダーになったりするわけで

つまり白い母岩を含めて全部が翡翠なのです


逆に、この写真で翡翠としている石は

ジェダイトなのかな? という感じさえします







横16×高さ16×奥7.5  3㎏強

















寄居付近の川原でこのような素晴らしい翡翠が拾えました


15年くらい前に、知り合い(私に最初に水石を教えてくれたHさん)と

荒川に石拾いに行った際、Hさんが拾ったものを譲ってもらったものです


なので正真正銘の荒川の翡翠、秩父の翡翠です


当時、Hさんは、毎日のように荒川の川原に石拾いに行っていましたが

このような石ははじめて拾えたそうです



三沢産か、中津産かもわかりませんが

三沢川あるいは中津川から荒川本流に流れてきたものでしょう


また、硬玉か軟玉かはわかりませんが

白地に緑(アップルグリーン)が入るという様式は、硬玉そのものです


なお透過はありません

緑の部分は、蛇紋岩らしいです


なんといっても川ずれがきいていて

山形にして飾れるというのがいいいですね










寄居の翡翠



Field Note フィールドノートさんの

https://planet-scope.info/Nishinoiri.html

埼玉県寄居町西ノ入のヒスイ輝石と藍閃石

というサイトの記事を引用させていただきます




【 寄居町西ノ入には稚童岩と呼ばれる ヒスイ輝石を含む岩石の露頭があります

ここの岩石はヒスイ輝石を50%ほど含み、残りは大半が石英

さらに脈状に藍閃石含まれています

糸魚川などの 宝石になる「ひすい」はヒスイ輝石が90%を超える割合で

含まれている"岩石"です

そのようなものは緻密な結晶から成る岩石のためハンマーで割るのは大変ですが

こちらの埼玉のヒスイは比較的容易に割れます 】



JR八高線折原駅より稚児岩まで、およそ1時間かかるようです





稚童岩 ヒスイ輝石を含む岩石の露頭




クリックすると画像が拡大表示されます





横16×高さ17×奥14  5.5㎏





石英がはっきりとみられます






この石は、私の石の最初の師匠から

もらってきました

「石英がくっついているのがよい」ということで

この石をもらってきました


師匠H氏は、勾玉にしているようですが

珍しいということで、ほしがる人はいるようです







磨くとこんな感じになるようです









三沢翡翠




横16.5×高さ(台込)15.5×奥.5  1960g










庭石とかを販売なされている

61STONEさんより入手した

超レアな秩父の三沢翡翠です


前出したように

秩父の翡翠を調べてみると


埼玉県皆野町三沢地区、秩父市黒谷地区に

硬玉(ジェダイト)と軟質(ネフライト)


大滝村中津川に、硬玉

大滝村中津川渓谷上流の秩父鉱山に、硬玉


寄居町三品地区に、硬玉(石英岩中にわずかにみられる程度)


が出るとあります



三沢川は、荒川に注ぐ小さな川で

三沢川上流では、蛇紋岩と一緒に軟玉(ネフライト)が

見つかることがあるといいます


このネフライトの秩父翡翠で作られた

平安時代の石帯(皮のベルトに装着する装身具)が

旧妻沼町(現熊谷市)の鵜ノ森・入胎遺跡で出土しているそうです




熊谷市江南文化財センター所蔵  転写



61STONEさんに、「この石はどこから手に入れましたか?」

と聞いたところ、「秩父の石屋さんから入手しました」とのことです



三協さんなのかもしれません


先日、石友さんの渡邊さんから

三協さんのところに磨きに出していた錦紅石を

引き取りに行ってきたということで、写真をいただきました



磨きに出したのは、お父様がかつて入手なされて66キロもある

佐渡の錦紅石の原石です


その際、三協さんも90歳近くになり

一人いる職人さんも70代で、営業を終わりにするということで

全ての石を処分したという話でした









渡邊さんの話では

61STONEの秋山さんが家に来た時

庭の片隅にあった原石に気づき

買い取りを希望しましたが

父との約束を果たせて良かったです

欲を言えば・・・もっと良い模様が希望でした!

とのことです


三協さんには、私の最初の石の師匠がよく磨きに出していました

師匠は当初、水石を収集していましたが

そのうち、鉱物の収集に移り

日本の鉱物の収集家として有名となっています


国産の鉱物を扱う業者さんが少ないため

各地のミネラルショーにもひっぱりだこになっています


(池袋のサンシャインシティで開催される東京ミネラルショーには

国内外から約360店舗が出店しまが、国産を専門に扱うのは

10店ぐらいといいます)


最近は、翡翠で勾玉をつくったりもしていて

最終の仕上げをまとめて(50個以上)

三協さんにだしていました


なので、師匠からも、三協さんが営業をやめることは耳にしていました



三沢翡翠の話に戻ります










これは私がいただいた石ですが

もう一石、61STONEさんがヤフオクに出しています









緋山は、ジャスパー系の色彩石が一番好きで

翡翠はついでに集めているので

今回いただいた石で十分ですが


翡翠を専門的に収集なされている方でしたら

ぜひ、買っておいた方がいいですよ


三沢翡翠、もう、二度と手に入らないと思います





七里さんに、黒檀の

最高の台座をつけていただきました








黒檀は、紫檀とは比べものにならないくらい高価です








七里さんの撮影  実物の色に近いです






裏は、七里さんの撮ったこの写真がほぼ実物の色です

黒檀の縞も綺麗に写っています







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