佐渡 錦紅石 (きんこうせき) 世界に誇れる 日本の色彩石の王で 佐渡の石の中でも一番人気の石です 絵の具を溶かしたような色調が特徴で 佐渡北東の岩谷口(いわやぐち)から産出され 「岩谷口五色」とか「五色メノウ」とも呼ばれます 昭和40年代初頭には産出は終了し 一級品のものを手にすることは非常に困難といいます なお、島津光夫著 佐渡の赤玉 (佐渡名石協会発行)によると 著者の科学的な観察の結果 錦紅石の赤の部分は、ジャスパー 白の部分は、瑪瑙 であると判明した と書かれています クリックすると写真が拡大表示されます 横22×高さ(台込)25×奥14 およそ5.5㎏ 佐渡の錦紅石の欠点を言えば 白の硬質化した泥(石灰?)が混じるところです 硬質化した泥の多少は、錦紅石の価値を判断する1つになります 現在ただ一人、佐渡で、原石から仕上げまでする 石磨き職人 高野さんよりいただきました ちなみに、錦紅石(岩谷口五色) が産出した場所は 現在、新潟県道45号佐渡一周線という道路の下に 埋まってしまっています この佐渡一周線は 佐渡国際トライアスロンや 佐渡ロングライド(サイクリングイベント。タイムを競うレースではない) でおなじみで 佐渡の海岸線の一周が約280kmであるのに対し 道路の一周は約200kmあるそうです このうちの国道部分(国道350号線)を抜いた 県道佐渡一周線(県道45号線)の距離は167kmで 日本一長い県道なんだそうです 錦紅石の名は 江戸時代の文献にもみられるそうなので かなり古くから知られていた石のようですが 昭和39年頃に この道路の整備がはじまり 以来、錦紅石の採石ができなくなり 現在、原石は 分厚いアスファルトの下に 眠ってしまっているわけです 横7×高さ7.5×奥6 357g 海ずれの自然石 みごとに丸い 横4.5cm 33g のマメ石 海ずれの自然石 横4cm 80g のマメ石 海ずれの自然石 この石は、錦紅石というより 海ずれの錦紅の拾える海岸でとれた瑪瑙というべきでしょうか・・・ 横7.5×高さ7.5×奥2.5 171g 小品 茶色系の錦紅石 高野さんにおまけでいただいたものです 横18×高さ(台込)11.5×奥8.5 1530g 佐渡の大澤商会さんからいただきました 最初に入手した錦紅石で まだ、高野さんや市川さんとのお付き合いがなく 22万だったと記憶しています 高野さんによると 佐渡の錦紅石の基本的な全色は、赤、ピンク、紫、黒 だそうですが この石は、さらに黄色、抹茶、薄茶まで入り八色です なお、もともとは、写真の石でしたが 顔のように見えるので 満天菊さんに、仕立て直してもらいました 昭和41年、石井銘石店刊行の 石井喜右衛門著「石のこころ」にみられる この石とわりと似ている錦紅石です 一級品の錦紅石を求めて 様々な美石を集めてきたのですが 私の中で、佐渡の錦紅石は特別な存在でした そんな錦紅石への想いが膨らみすぎ 幻想的な錦紅石を私の中につくりあげていたのかもしれません・・・ 錦紅石の素晴らしさは、なんといっても絵の具を溶かしたような色彩 紅・白、その中間色のピンクや薄紫が混じりあって 織りなす色調は、日本人の誰もが心惹かれるものでしょう 逆に欠点は、母岩の部分が多かったり 硬質化した泥 (硬質化したといってもジャスパーに至らなかった白い軟らかい部分) また、巣穴が混入するところにあります ただ、白い軟らかい部分が混入するゆえ それが赤に混じって錦紅独特の色彩ができあがったのかもしれません 例えばこの石 一見、素晴らしい色彩にみえますが ジャスパー化されてない部分を多く含みます こういったものでなく 私が幻想として求めたのは ほぼ全部がジャスパー(泥を含まない)で 多彩で、絵の具を溶かしたような色調をもち しかも色、とくに赤が鮮やかで 大きさが10㎏を超えるものでした しかしそのような錦紅石は 存在しないのかもしれません 高野が 「過去に売った(鑑賞石サイズの)最高の五色の錦紅石」 と語る石の写真がこれです 値段は150万で取引されたそうです 正直、やや上から見た写真1枚ではよく分かりません 上の方は光の反射や影で判別しにくいし 下半分はボケている部分を修正していみましたが どうなのでしょうか クリックすると写真が拡大表示されます 横30×高さ(台込)21×奥18 さらに所有者が200なら手放すということで 同じ石の大きな写真を、郵送でいただきましたが もっと写真がよくないし (これだと光と影を見ている感じです) さすがにこれでは判断できないのでスルーしました ちなみにバブルの時代に ほぼこれと同じ色彩のドラム缶大の錦紅を さる誰もが知る有名な会社の代表に 売ったときの値段が なんと1億円だったそうです 大きいから値段が高いというのもあるでしょうけど・・・ また、お金持ちの人はステータスで買うので ちょっと景気が悪くなると売ってお金にしてしまいます これに対し、緋山はお金がなくとも買うし(分割にしてもらって) 病気とかよほどのことが起きない限り 気に入った石は手放しません だから、石の好きな人は、そんなにむちゃくちゃな値段を言わずに 緋山に売ってくれたりするわけです 私が入手した石は、以下の石です 事前に、佐渡の銘石会の副会長をしている 市川さんから届いた写真です 実際には、写真より若干、劣ります (写真は、実物の石より色濃く また光沢がよく写されている) とはいえ、これまでみてきた錦紅石の画像や 今回、高野さんから送られてきた写真をみても 色彩、照りに関しては これ以上の 錦紅石はないのかもしれません これで10㎏を超えるものがあれば 日本一クラスなのかもしれません ということで、ここに画像を公開します 完全に色を同じにすることは不可能ですが わりと、実際の色に近く画像処理できました 横16×高さ(台込)17.5×奥13.5 およそ3.5㎏ こちらの面は、メノウ化した部分が多く入っています 錦紅石の別名 五色メノウの名にふさわしい石です 正面、側面、裏側で これだけ全く違う色彩が見られる石も珍しいです 裏面は、この石に近い感じです
赤主体の錦紅石 横29高さ(台込)20×奥25 8㎏強 うぐいすが枝にとまっているようにも見えます 目はこれ このように観ると、左下を谷に見立てることができ 山に鶯としても観賞できます 以下の写真は、いずれも一級品、あるいは凖一級品の錦紅石ですが こうした石に比べて、今回入手したものは いかに、泥質が少ないか また赤が優っているかが お判りいただけるかと思います 写真は、転写です 高野さんの懇意にしておられる知り合の方が 赤色が主体の錦紅石をもっている 大きさも8㎏ある ということで 高野さんに、その方に交渉してもらって 入手できたのがこの石です このように赤が主体で、ノロやガスが少ない錦紅石も まずないとのお話です 値段は片手(50)をいってしまいましたが それほど錦紅石のいいものは希少ということですね 硬質化した泥について 横12×高さ(台込)21×奥11 4㎏弱 この石は、加賀瑪瑙で、白山紋石庵のご主人 山下さんよりいただきました 山下さんの自採石で、自身による磨きです 山下さんはこうおっしゃられます 「加賀瑪瑙は、泥の中でできるのだろうか? 欠点は、泥がまじること」 「石灰質の泥だと思う」 「仮に、さらに何万年と地中に埋もれたなら この泥も、ジャスパーやメノウになるのかもしれない」 「ただ、これが加賀瑪瑙の特徴であり、証拠と言える」 横15.5×高さ(台込)23.5×奥9 4.5㎏ この石も、加賀瑪瑙で、白山紋石庵のご主人 山下さんよりいただきました 山下さんの自採石で、自身による磨きです 上の2つの石のように 泥も景色として観れる石なら、「景色」としては問題ありませんが その部分が、ジャスパーやメノウではないことは、誰が見てもわかります どのような観賞石であれ、景色として完全な石であっても 質として他に落ちるとしたら、一級品とは言えても 最高級品の評価は与え難いですよね とくに、翡翠なんかの場合、質(透過性)が ほぼその石の評価を決めてしまうほど重要視されます 横17×高さ(台込)27×奥8 およそ4.5㎏ この石も、加賀瑪瑙で、白山紋石庵のご主人 山下さんよりいただきました 山下さんの自採石で、自身による磨きです 上の2の石に比べると 母岩のジャスパー化が劣り 泥っぽさが、アラ(欠点)として目立ちますが その分、水晶が景色を補っています 上の石の裏側 但し、石灰岩の変成したものは、大理石であって 石灰岩(炭酸カルシウム CaCO3)と 玉髄やメノウ(二酸化ケイ素 SiO2)とでは 成分が違うので 石灰岩が玉髄やメノウになることはありません 化学変化では、原子の集まり方が変わるだけで ある原子が別の種類の原子に変化することはありません (なので質量保存の法則が成り立ち 卑金属が、金になるなどといった錬金術は ニセ科学であったとされています) 佐渡の赤玉石は、約2300万年前の変質した 安山岩や凝灰岩の中に脈状に出ていて おそらく、含金銀石英脈をつくった熱水溶液(約200℃)よりも低い シリカや鉄分の多い熱水溶液が 岩石の割れ目に入って固まったものであろう とされています シリカとは、二酸化ケイ素および 二酸化ケイ素によって構成される物質の総称で 自然界でもっとも最も一般的な形状が石英です 土岐石は土岐砂礫層から産出されたといいます 樹木が火山灰に埋まり、火山灰には珪酸が多く この珪酸成分が樹木に染み込んでいったとされます そして地熱の影響で炭化され、さらに碧玉化されていったと考えられています ちなみに、シリカとは、SiO2のことを指し ケイ酸とは、H4SiO4あるいはSi(OH)4のことを指します 一般に液相の場合(溶液中に溶解している場合)は「ケイ酸」 固相の場合は「シリカ」と表記することが多いそうです すなわち、錦紅石のノロとかガスとか呼ばれている部分は 石灰岩にしろ、泥質の岩にしろ シリカ成分を含む熱水の浸透が十分でなかった部分である と言えるのではないでしょうか ウキペディアに 菊花石の成因の説の1つとして 玄武岩の中に放射状の割れ目ができ、この中に方解石や玉髄等が入り 花の模様ができたもの、又は方解石が石英等に置き換わった と書かれてあります 方解石とは、石灰岩の主成分であり 石灰岩とは方解石の集合体を言います 玉髄とは、半透明の石英(不透明なものはジャスパー)をいうので 方解石が石英等に置き換わったと書かれているということは 地中深く、とてつもない高い圧力のもと 地熱の影響により 石灰岩の一部が、ジャスパーに変化する 可能性もあるということになります しかし、ある原子が別の種類の原子に変化するには もともとその元素が、放射性同位元素である場合か 核分裂、核融合といった原子核反応しかないのです 核融合というのは 太陽などの恒星でみられる現象で これを利用したのが水素爆弾です 核分裂は、原子力発電や原子爆弾にみられる現象です 天然の原子炉は ガボン共和国〔中部アフリカ。西は大西洋のギニア湾に面している〕の オートオゴウェ州オクロにある3つのウラン鉱床で 核分裂反応があった場所が16箇所見つかっているといいます このオクロの天然原子炉が、天然原子炉として唯一知られているものです そう考えると、石灰岩の花が、メノウ花になる というのは、おかしいのではないでしょうか? 石灰岩は、あくまで大理石へと熱変成するのであって ジャスパーにはならないと思います この(ウキペディアの話)場合、1つ考えられるのは 石灰岩といっても チャート質を含むものだったとすると あるのかもしれません 石灰岩は、貝類やサンゴなどの水中動物の 貝殻や骨格などが水底に積もって出来た堆積石で 主成分は、炭酸カルシウムです チャートも堆積岩の一種ですが 主成分は、水晶、メノウ、ジャスパーと同じ石英です この成分を持つ放散虫・海綿動物などの動物の殻や 骨片(微化石)が海底に堆積してできた岩石と言われています じつはチャートも、ジャスパーほどの硬度をもちます 紅加茂石 およそ36㎏ 紅加茂は、チャート系の鑑賞石で、最も知られています 桐生川(朝日沢産) 赤更紗石 8.5㎏ 桐生川更紗は、紅加茂石とともに チャート系観賞石の代表で ジャスパーとは違った独特の色味をもちます 桐生川更紗石 (旗川産) 6㎏弱 なお、大理石は 石灰石が、地中(マグマ)の熱によって熱変成を受け 再結晶化した変成岩ですが 純白なものは 石灰岩が再結晶するときに不純物が除かれたのだそうです いずれにしても言えることは、佐渡の赤玉のように シリカや鉄分の多い熱水溶液が 岩石の大きな割れ目に入って固まったものとは違い 錦紅石というのは 岩盤=岩石=母岩の一部が、ジャスパー化したものということです 菊花石の場合、母岩に、綺麗な菊が たくさん出ていれば、当然、評価が高くなります 逆に、花が少なかったり、花がぼやけていたり ねずみ色の花だったりすると 評価は低くなります 錦紅石のようなタイプの色彩石も 当然、ジャスパー化している部分が少なければ 加工もされないはずです ≪ほとんど母岩≫というものを加工しても 加工賃も出ないからです なので、ジャスパー化の多い部分だけを とくに、岩盤・岩石=母岩より採取して 観賞石となっているのです この石なんかは、その典型ですね いずれにせよ錦紅石を、欠点という観点から判定する場合 硬化した泥の混入を含め ジャスパー化されていない部分の多少は 当然、問題とすべきなのです また色彩石である以上 色が鮮やかなほうが評価がいいのは言うまでもなく とくに錦紅石の場合は 赤と白、その中間色であるピンクが基本となるので 赤が鮮やかなことがいいに決まっています くすんだ赤ではお話になりません なお、加賀瑪瑙では、このように 泥っぽい部分がほとんど見られない (裏側には混入がありますが) ものもあります この石なら≪ほとんどがメノウ化している≫ と表現してもまぁ差し支えないでしょうし 誰もが納得できますが 錦紅石の場合、小さな石はともかく、ある程度大きくなると およそノロはみられます 横27×高さ(台込)17×奥18 およそ6.5㎏ さらに錦紅石の場合 泥っぽい部分がほぼみあたらない石であっても 上の写真のように 色彩部分の厚みが やたらと薄いものも多いので注意が必要です こうした石でも、光をあてて、光らせて撮って写真にすれば とても綺麗に見えるはずです およそ5.5㎏ 最初に紹介したこの石ですが じつは、もう1つ台座があります 上の写真の台座は、高野さんの台座の師匠の作で (ちなみに石磨きの師匠は、父である先代の高野氏) 下の写真の台座は、高野さんご自身の作です しかし、このように飾ると 一番目のいく山頂部に、泥がいくことになるので この石自体の質の悪さを印象づけてしまいます 山頂部直下右の白い部分は、瑪瑙化してはいますが薄く 泥にのっているだけです なお、この石は、丸磨きであっても自然の風合いを残しているので 水石家好みの石です ちなみに高野さんの台座の師匠は 佐渡では「台座作りの名人と言われた方だったといいます 〔 むろん水石の世界で台座作りの名人 と呼ばれた人の作とは天地の差はありますが・・・ まず、水石の台座の名人は、そこがどんなにでこぼこした石でも 石を切らずに、ぴったり台に収めてしまいます また、佐渡の台座が、なんでこんなに分厚くやぼったい台座なのかというと たぶん大きな石の台座作りに慣れているからでは? 大きな石だと分厚くしないと割れてしまいます また、佐渡の台座の特徴は、ケヤキで作られているということがあります 〕 この写真の左上と右の白い部分は ある程度はジャスパー化していると思われるものの ジャスパー、メノウにはほど遠く、硬質のノロですね (左上のほうが右より質がよい) この加賀瑪瑙の この部分とほぼ同質です 錦紅石の色彩化されている部分のほとんどが ジャスパー化、あるいはメノウ化しているなんていうのは 全くのデタラメです こうした写真と説明で、誰もが理解できるように 泥質(ノロ)に色がついている部分も かなり含まれているということです 小ぶりながら、私のこの石なんかは 五色であるとともに、全てがほぼジャスパー化している感じですし 上の写真の面には、メノウ化している部分も多く含まれ まさに≪五色メノウ≫と呼ぶにふさわしいものです ≪しっかり、熟成されている≫と表現したいくらいに 赤は深みがあります しかし ≪五色の錦紅石≫と称している ほとんどのものの色彩は ジャスパーと泥質との混合によってできているわけです もう一度はっきり、画像で示しておきますね このピンクがかった白は泥質 メノウ質とはこういうものです 不純物を含み不透明な場合にしても これくらいになっていなければジャスパー質とは言えないはずです 以上のように、錦紅石という石は 色彩の素晴らしさとともに 質の悪い部分が混入するという欠点が、同居しているのです 銘「雪灯り」 横16.5×高さ(台込)15×奥10.5 2067g 後ろを観ると 上部には、メノウ化した部分が大きく入っているものの 下半分は、色彩に深みがなく 色彩の厚みも薄いです とくに下部の色彩にいたっては、貼りつけただけのようで かえって汚くみえます さらに灰色の母岩のジャスパー化も いまひとつという感じです ですが正面から観ると 大方の部分(とくに右2/3)は、色彩が魅惑的です また小ぶりなから、ノロ(石灰質)の混入も少なく 正面右2/3に関しては 石に照りもあって、質の良さを感じさせます そしてなんといっても 日本人の美意識を刺激する色調と色彩を呈し 惹きつけられます 評価的にも、黒が多い錦紅石というのは少ないそうで (高野さんのお話) 黒が多く景色に恵まれた石となると、なかなか入手困難とのことです この石は、緋山に最初に石を教えてくださった方から 譲っていただいたもので 台座は、関東一とうたわれた桐生の小黒さんの作です 昭和41年、石井銘石店刊行の 石井喜右衛門著 「石のこころ」にみられる黒混じりの錦紅石です 複雑な混じり方の錦紅石 横17×高さ(台込)20×奥7 およそ3.2㎏ 台座は、こちらを正面として観賞するように 作られています (台座に据えると裏側は、手前にやや倒れる感じになります) 私は、本来、裏側とされている景色のほうが好きで 裏を正面としました この錦紅石は、色の混じりが、複雑で面白いのと 裏側(本来の)は、半分近く茶系で 渋さがあって、味があります 照りもよく、泥質も少なく 錦紅石としては、質は最上です 山梨県の名取貴石さんからいただきました 高野さん(佐渡唯一の石磨き職人)や 市川さん(佐渡名石協会の副会長)から このクラスの石をもらうとしたら 20万とか、25万と言われるでしょうが なんと6万3千円(送料込み)という安さでした 「雪灯り」は、30年来、懇意にしている人から いただいたので、ここに書けないくらい 特別安く、入手しましたが それでもこの石の倍以上は、払っていますよ(笑) 七里さんに台座を作り直してもらいました タガヤサンによる台座 台座が薄いのでオシャレで 石が大きくなった感じです 総造りの錦紅石?? 横41×高さ(台込)22.5×奥17 およそ10㎏ 素晴らしい佐渡の赤石の総作りです 昭和41年、石井銘石店刊行の 石井喜右衛門著「石のこころ」に掲載されている石です この石は、千軒石の著名な収集家であられる センゲンさんから譲っていただきました センゲンは、オークションで 18万で入手したそうです センゲンの前の所有者は 45万で入手したようです 正面から観ると、赤玉のようにみえますが 紅の流れがあり、赤玉とは違うようにもみえます さらに背面や、底をみると、赤玉ではあり得ません むしろ錦紅石の特徴がみられ 錦紅石と判断するのが、妥当かなと思われますが どうでしょうか? いずれにせよ 赤系色彩石の最高峰の石と言えるでしょう なお、磨きは、宝石磨きの一歩手前にとどめ ツヤを抑えています 色彩石の見方 極端に言えば、色彩石の評価は 色が鮮やかであるか?に限られ あとは 母岩(岩石部)や、硬質化した泥質、また巣穴が 少ないほどよい ということだけになります 以下、高野さんのお話になりますが 佐渡の石の場合(色彩石すべてに共通します) 重要なのは、色彩 つぎに大きさ そして最後に形の順です また、基本は、油腐の2倍が赤玉 赤玉の2倍が錦紅石 但し、油腐でも特別いいモノは値が高い ということです 茶色系の錦紅石 横18.5×高さ(台込)24×奥16 およそ7㎏ 裏側の白は、メノウ化が進んでいて とても綺麗です 茶色系の錦紅石の最高峰的な石かと思います 骨董なんかを出品なされている新潟の方より ヤフオクを通して入手しました クリックすると拡大表示されます この写真は、15年以上前だと思います ネットで拾ってずっと保存していた画像で、茶色系の錦紅石です 茶色系の錦紅石は、緋山の最初の師匠も それこそおそらく40年とか前に 佐渡で自採し、原石のまま台付けをして飾っていましたが これほどいい石ではなかったです 大きさ的には高さ20センチほどの石だったと記憶しています 緋山も、だぶん100g程度だったと思います 茶色の錦紅石の原石を 師匠から買って、所有していましたが 現在はみあたりません 茶色の錦紅について 高野さんに聞くと(それも10年も前)、やはり「なかなかないよ」 「めずらしいよ」「なかなか手に入らない」ということで 工房に売れずに残っていた前述の小さな石を おまけでいただけたわけです みんな茶色系の錦紅石の存在なんか知らないのに対し 緋山は、15年以上前にネットで拾った画像をずっと保存し、狙っているから 本石のような良石を、ヤフオクで1.5万円足らずで落札できたわけなのです 典型的な色彩の錦紅石 銘「風神・雷神」 この石は、表面と背面は、鏡面磨きです 石の置き方によって色々な景色をみせる石ですが この方向が一番かと思います 「風神・雷神」の銘は、緋山がつけましたが この方向が、銘にびったりきます 赤の色は、この写真に近いです 朱色ではありません 横19.5×高さ18×奥5.5 3.1㎏ 写真だと、紫が入っているように見えますが 実際には、微量入っているかな・・・ ぐらいしか入っていません 本石は、月水さん(信濃美術石博物館)より購入 月水さんは、こう観るように写真がありました (実際の赤は、朱という感じではない) この写真の赤に近いです こう観ることも可能です この景色も捨てがたいところです なお、これだと、高さが出るので石が大きく見えます 写真だと石に変化をつけて(山谷をつけて) 磨いてあるように写りますが 完全な平面、鏡面磨きです こっちでも「風神・雷神」で通ります 山頂部の丸は、小石が取り込まれたものです 下のようにもうすこし左に傾けてもよいです 風神の風の流れがより明確になります この部分は竜巻に見えます 雷神でいうと 中心部は、雷神の太鼓と、太鼓より生じてくる雷鳴に見れます この部分は、落雷に見えます 裏面にはピンクが入っているので 裏も一応、観賞はできます (月水さんの写真) 緋山なら裏面は、ジャスパーになっていない部分が 目立たないようこう飾ります ピンク主体の錦紅石 銘「木花桜」(このはなざくら) 横13×高さ(台込)12.5×奥11 1872g 裏側には、メノウ化された美しい赤色の流れがあり これが表側に出ていたらさらによかったな といったところです 上の写真よりカメラの黄色の色調を一つ上げて(青を下げて)撮影 ピンクの色は、若干、こっちの方が実物に近いように見えます 上から見た、この方向の景色が一番いいです (黄色強め) (青色強め) 埼玉県の方からヤフオクを通して入手しました 商品説明に、30年前に茨城県の銘石店で購入した とありました 茨城県の銘石店とは、株木さんのお店のはずです 写真なので、想定内ではありますが さすがにヤフオクの写真は鮮やかすぎます とはいえ、小ぶりながら上品でいい石です また、「雪灯り」と比べると、色の深み、大きさなんかは劣りますが 景色は、本石は本石で面白いです のちに、出品者の渡邊さんから 茨城県古河市にありました 萩原名石(銘石)から私が購入したものになります 株木様の店以外にも小さい店が茨城に存在していました (それらのお店のご主人は、ほとんどシャッターを閉じたままにして 骨董市などに出品するのに色々廻っていた感じでした) 萩原名石へ行ったのは30年ほど前 埼玉県〇〇市に新居をかまえたころです 父からもらった月刊樹石に日本美石クラブ・会員有志のページがありまして 萩原名石を知り近いこともあり行くことに・・・ 目的は錦紅石&秋田孔雀!!でしたが 水石がばかりの中に一石あったのが、この錦紅石です 記憶では黄色い孔雀石もありました ただ五城目と判断がつかなかったので購入しなかった思い出があります とのメールをいただきました 30年も前から錦紅石と五城目孔雀に 目をつけていたとは恐れ入ります 日本一の錦紅石 「木花桜」をいただいた 埼玉県の収集家 渡邊聡さんが 見事な只見の錦紅石の写真を送ってくださいました 渡邊さんは緋山より3つ年齢が先輩で お父様が大変な美石、水石の収集家だったそうです お父様は、埼玉県草加市のワタナベと伝えると 石関係の店主で知らない人はいないほど 名を馳せておられたそうです 佐渡の錦紅石なんかも100キロ相当のものを含め 相当数所有していたそうです クリックすると拡大表示されます 50キロ前後もある石とのことです これだけ色彩のいい只見錦紅は、写真でもみたことないです 赤に混じるピンクの混じり方が秀逸です また、黄色も入っているし 上部がメノウ化しているように見えます この只見、大物ではおそらく佐渡より上かと・・・・ その根拠は、佐渡の場合、大きい石に限らず ほとんどの石が、ノロやガスなどと言った ジャスパーになっていない部分や巣穴を含みますが この只見にはそれらが少ないからです なので大物では、(佐渡を含み)日本一の錦紅石かも知れません さらに画像を取り直して送ってくださいました 驚きますよ!! クリックすると拡大表示されます クリックすると拡大表示されます こちらは加賀瑪瑙 センスの光る石です 25キロ前後あるそうです 只見錦紅石は、この石とともに 知り合いの方の形見となるそうで、譲れない石とのことでした さらに他にもこうした只見錦紅を所有しているとのことです クリックすると拡大表示されます 21キロ 2.6キロ 2.6キロの石は手放せるのか聞いたところ この石も庭園作りにお世話になた方が他界後に・・・ご子息様の形見となる 大型の只見錦紅石と2点セットで無理に頼んで譲り(購入)うけたので 手離す事のできない大切な石となっています とのことでした この石2.6キロしかない石が 21キロの石(これも、ものすごい石ではあるのですが) あるいは緋山が所有する6キロの山形よりも なぜ上なのかというと (緋山の個人的な判断、またあくまで写真による判断で) 緋山所有の6キロ 只見錦紅石特有の模様を持つだけでなく 石のメノウ化が進んでいるのです なので透明な感じを受けるのです 先述した 「硬質化した泥について」で 五色メノウと呼べる錦紅石は 中まで、≪しっかり、熟成されている (ジャスパー化、メノウ化ができている)≫ ものである という話にも通じています 只見錦紅恐るべしですね! また、お父様が亡くなられたのを機に、ご友人のもとへ 旅立たれた100キロ相当あるという錦紅石がこれです クリックすると拡大表示されます こちらもすごい石です 巣穴は見られるものの これだけの大きさでありながら ジャスパー化していない岩や泥質がみられません ちなみに、渡邊さんからは 日本一クラスの雷光石の画像もいただきました https://ishitetu.sakura.ne.jp/ao.html 渡邊んに、画像を緋山のサイトに載せてもいいか尋ねると ホームページに紹介して頂けるのは光栄なこと とのことです 緋山のようなロクでもない人間を このように大事にしてくださり感謝に堪えません 茶色系の錦紅石 横22×高さ(台込)13×奥10 3234g この石は、ヤフオクで佐渡の黄玉として出品されていました このトップの写真だけみると、典型的な油腐石(小倉石)という感じですが 3キロちょっとしかないのはいいとしても、巣穴が気になります なので「3万で入札する人はいないでしょ」と思いました ところが、次の写真をみて「あれ」と思ったわけです この石を出品なさった方は、こっちを裏として見ています なので、こっちの景色は、一部 巻き尺で隠されていて 全容がわかりません 緋山は、こっちの写真を見て、この石は「茶系の錦紅石だな」と分かるので 誰も入札入れてこないので、そのまま3万で入手できました 5年も石から離れていたので ヤフオクには誰も見向きされなかったすごい石がいくつか眠っていて 本石も、そうしたものの1つだったのかもしれません この石を飾るとしたら、以下のいずれかになるかと思います もっとも景色がいいのは、最初の方向をやや上からみたときです クリックすると拡大表示されます 佐渡の錦紅石 2石をいただきました 埼玉県の収集家 渡邊聡さんが 緋山が錦紅石が好きなことから 以下の錦紅石Aと、錦紅石Bとを送ってくださいました そのさいこんなやりとりをさせていただきました 渡邊さん「希望されていた2石の件ですが 私も錦紅石と考え手に入れた石です 意見が同じで・・・私の目も節穴じゃなかったかな?(笑) 価格がつけられず無料にてお譲り致します ☆どうやら石が緋山様の元に嫁ぎたいと言ってるようです(笑)」 緋山「渡邊様、まじですか!! では、菊花石のピンク花をさしあげたいのですが 菊花石には興味はありますか? けっこう競ってヤフオクで落とした記憶がある石です 純白ではないですが、灰でなく、わりと綺麗な白が桃色に染まっていて はっきりピンク花とわかります 横17×高さ(台なし)19×奥7.5 2221g 台座なし」 緋山「台座を七里さんに頼もうか悩んでいた石です 台座に据えると下の花が一部隠れてしまうからです 立てかけるフックのついた台でいいかもしれません」 渡邊さん「菊花石 数石所有していますが良し悪しがわからないのです(-_-;) ※中には緋山さんが注意喚起されている樹脂入り孔雀菊花石もあります 父も加工石と分かっていて石屋との付き合いで購入したものです そんな訳で石との交換はなしにて私の気持ちとして受け取って下さい 〇〇市の田舎より石が嫁いで来たと思って下さい」 緋山「渡邊様、でも、ただというわけにはいかないので 金額を言ってもらった方が助かりますm(__)m」 渡邊さん「業者ではないので、金額は抜きにして 日本一の愛石のコレクターの元で飾ってあげて下さい また昔話がありましたら画像と共にメール致します 緋山様 限りない夢との出会い 良い石に出会えると良いですね! 私も五城目孔雀石に出会えるよう頑張ります(笑)」 緋山「渡邊様、この五城目ならば 渡邊さんになら手放すことはできます 仙台の宝石店アレックスさんからいただいた中では ダントツの五城目で、10年くらい前に 他の石とあわせて30万だかで入手したと思います 正直、その他の石は、この石のおまけで買ったような石です 横10.5×高さ13×奥8.5 1412g」 緋山「アレックスさんによると、≪「梅花」と称し かつては、ちかくの信用金庫に貸し出したりもした≫ということです もしよかったら、今回の錦紅石の代わりで送らせていただきたいのですが このクラスの五城目はおもちですか?」 こんなメールのやりとりのあと 以下の錦紅石Aと、錦紅石Bが届きました 渡邊さんの画像からどちらもよい石だと想像はしていましたが AもBも1㎏前後ということだったので、大きさはどうなのかな? 鑑賞石としての大きさに足りているのかな? とも思っていましたが、机の上に飾って楽しむには十分です 錦紅石A 錦紅石B とくに、Bは1146gあり、どっしり感があります また、画像どおり抜群に景色がいいのですが びっくりしたのは、反対側も抜群に景色がよいのです A石だけなら「いいんですか、ありがとうございます♪」ですませられても さすがに、B石をただでいただくわけにはいきません 仮に渡邊さんが、ヤフオクで安く落とした石だったとしても この石を落とすには、見識やセンスがいります それを鍛えるために、ムダなものも買ったりしているはずです また、過去のヤフオクやメルカリに出品された石を調べても このレベルだと数年に一石、二石しかでてきていないし メルカリなんかは即決で落ちるので 毎日のように、気にしていなければなりません しかも、出品者が錦紅石や佐渡の石と知らずに出品していた場合 錦紅石や佐渡・石で検索かけてもヒットしなかったりもあります そうしたお金、時間や労力を使って、はじめて手にできる石です そのあと渡邊さんと、電話で1時間以上? 色々楽しい会話をさせていただき 五城目ももらっていただけることになりました ちなみに、ピンクの菊花石は、切り札的な石の一つです 要は、緋山がどうしても欲しい石があって 所有者の方が「お金では譲らない」と言ってきたときに 交換として出せるかなりいい石です 菊花石なら、たいがいな人は好きなので このカードを切ればなんとかなるだろうという切り札です 今回、手放すこととなった五城目はレベルとしては 緋山の所有する五城目の中では 一刻先生(故人)からいただいた五城目 秋田の収集家 草薙さんからいただいた五城目 鹿の子に似た五城目 (この3つは手放せない石です) に次ぐ4番目です ただ、このアレックスさんからきた石は、最初に入手した一級品だったので そのときの感動がものすごかった 思い出の五城目でもあり 生涯もっていてもいい石ですし 最終兵器、最終的な切り札、ジョーカー的な石というものでもありました とはいえ、日本一の只見錦紅石の画像をはじめ たくさんの画像を送ってくださっただけでなく 日本一人気の色彩石である錦紅石の良石を2石もただでくれる そんな渡邊さんに、ジョーカーを手放さないわけにいかない ということなのです(笑) 結局、石というのは、求める人もとへ自然と行くようになっているし 思えば、求める人がいるのに、後生大事にとっておいても 意味がないかなと思いました 錦紅石A 横12.5×高さ(台込)12.5×奥.5 824g 錦紅石B 横15.5×高さ(台込)11×奥7.5 1146g 台座は、高野さんの台座作りの師匠の作ですね
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