緋山酔恭「山水石美術館」 ≪みみ(鶴飼)という業者のオークションに注意≫



ファンシージャスパーを「秋田産」

根尾の桜石を「五城目孔雀」

としてヤフオクに出品している

北海道の「みみ」という鑑賞石の業者の

オークションに対する注意喚起













先日、「みみ」というショップ名で

ヤフオクに出品している 北海道旭川市の

鶴飼重男なる人物より石を購入したところ


「紅色」とは名ばかりのチョコレートがかった赤の古潭がくるし

それはよいとしても、台座にへんな塗料が塗ってあって

椅子が一脚、お釈迦ポンになってしまいました


8/5日に落札しているので

8日に届いたと思うのですが

現在、11日です


自宅で仕事をしているので、ほぼ1日中

冷房を効かせたり、扇風機を回しています


いったいなにを塗ったら、2、3日で

こんなベトベトになるのでしょうか



黒の塗料はヤフオクの写真でも見られます




その黒が剥げて

下地の赤が見えているのに

鶴飼は、「塗料が落ちるわけがない」

「あなたがなにかを塗ったに違いない」

との妄言をのたまわり、責任転嫁しようとする始末です



台座をつくり替えるにしても

台座師としても名人と謳われている

長崎県の水石業者 佳石庵の中路さんに依頼するほどの石ではありません


懇意にしている根尾桜石会会長の七里さんの場合

材マニアで、ほとんどの石(とくに桜石)の台座は

黒檀か紫檀(本紫檀、ホンジュラスローズウッド

パリサンダーなどを含む)です


だぶん桜石の8割は、黒檀なはずです

黒檀は、通常の紫檀と比較すると

比較にならないほど高価です


価格のやや落ちる材でも、使用するのは

ブラックウォールナット、タガヤサン

パドック、赤ケヤキ(ケヤキ材としては最高)、ブビンガ

モンキーパッド(この木なんの木気になる木の木)です


要は、堅い材しか扱いません

一般の水石業者が扱うイチョウなどの柔らかくて軽い材は使いません


また塗りをするのは、赤ケヤキとブビンガぐらいなものです


黒檀、紫檀などは、もともと木目や色調がよいので

塗りなどする必要がないのです


今、現在でも七里さんのもとに15石くらい

台座を依頼して、出来上がらない石がいっています


そんな関係から安くはやってもらえますが20センチあると

ブラックウォールナットあたりで1万かな? といったところです



あとは、この椅子の塗料をどうやって落とすかです


それにしてもこんなことは初めてです

20代の頃から石を買ってきて

ひどい台座は幾度となくつかまされてきました


ぶ厚くて田舎くさかったり

ヤスリがかかっていないのかケバケバしていたり

塗りにムラがあったりと・・・・


しかし、数日でべたべたになり

椅子をダメにする台座なんて初めてですよ(笑)



この鶴飼なる人ですが

堀口のように、石を知っていて詐欺をしているのではなく

単に、無知、勉強不足なだけのようではあります


こういった無知な人は、こっちに実害がない限りは放置しておくのですが

こうして実害を受けて、ただ泣き寝入りも嫌なのと


この鶴飼の「みみ」というショップ

扱う石の量が、単なる骨董商やリサイクルショップと違って

かなり多いので

注意喚起をうながしておきます



写真は、公益のための利用です



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これは秋田産でなく、見る人が見れば

すぐに判るファンシージャスパーです







ツブツブがあるのは、ファンシーの特徴です



以下は

石友の渡邊さんが持っていたファンシーからです









以下、佐渡で唯一の磨き職人 高野さんの作のファンシージャスパー










写真では、分かりにくいですが、玉、ツブのつながりです


こうした玉やツブのつながりが見られ

緑が主体の石は、ファンシーとみていいかと思われます




つぎにこれ


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この石も秋田産ではありません

こっちは、典型的なファンシージャスパー

一番よくみかけるファンシーです


下の石と同じタイプ

天然石・水晶・鉱物原石専門店 The Stone of WAKOU さんの

サイトより



左の札に、ブラッドストーン(ファンシージャスパー)とあります







つぎにこれ、620gとあります


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糸魚川の翡翠でないのは明らか!!


石友さんの見立てでは

オーストラリア産 クリソプレーズ(緑玉髄)だろうとのことです

クリソプレーズは、カルセドニーの一種です


カルセドニー(玉髄)は、アゲート(瑪瑙)、ジャスパー(碧玉)

クォーツ(水晶)と一緒で、石英の一緒です


カルセドニーやジャスパーは、水晶と違い

目に見えない微細な結晶が集まってできたもので

玉髄に縞模様があるものが瑪瑙と呼ばれます



それから、これまで、曹長石という鉱物が

ヒスイ輝石と石英に分かれてできたとされていたようですが

翡翠の内部および周囲の岩石にも、石英が発見されていないので

これは間違えだと判ったそうです


AI による概要

【 はい、その通りです。以前は、曹長石が

分解してヒスイ輝石と石英になるという説が有力でしたが

ヒスイの内部や周囲の岩石に石英が発見されないことから

その説は誤りであることが判明しました

現在では、ヒスイは主にマグマが冷えて固まる際に

特定の条件下でヒスイ輝石が形成されたと考えられています

石英は、マグマが冷える過程で別の鉱物として生成されるため

ヒスイと共存することは稀です

また、ヒスイが形成される場所の地質的な条件も

石英の存在を妨げる要因の一つと考えられています 】



要は、クリソプレーズ(緑玉髄)と、ジェダイト(翡翠)

また、ネフライト(軟質翡翠)とは全くの別モノです




次の石は2.26㎏とあります


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いずれにしてもオーストラリア産の「クリソプレーズ」(緑玉髄)は

鮮やかな緑色をしていることから

「オーストラリア翡翠」と呼ばれることもありますが

翡翠(ジェダイト)とは、全く別モノです


緋山は、外国の石、それと鉱物には

興味ありませんが

クリソプレーズの大きなものは

それなりの値段はするようです


ちょうどメルカリにとても素敵な石が出ていました


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重要な点は、翡翠と考えないことです


翡翠の場合は、結晶が味の素を固めたような感じで

磨いてもロウ光沢しか得らません

つまり、寝ぼけたような光沢になります


これに対し、クリソプレーズは石英なので

ジャスパーのような金剛光沢になるということです


つまり、緑の碧玉と同様、硬くて、緑が濃く、照りのある

このような石が最上になるのではないかと思われます

(外国産、鉱物については専門ではないですが)



また、この石は玉があり、玉髄(ブドウ状の石英)を磨いた感があります


それから、潜結晶の石英は、不純物が多く

透明でないものをジャスパー(碧玉)

透明なものをカルセドニー(玉髄)、瑪瑙(アゲート)と分けます


クリソプレーズは、緑玉髄なので、薄くカットしたら透けるのが原則

(透けないと緑のジャスパーになってしまう)

だから透過することが価値判断の要素になるのかと思います






過去には、このような石もメルカリに出ていたようです







それから、名取貴石さんのサイトには

https://www.ishino-hana.com/item/lcpr-03/

小さいですが、こんな魅力的な石もありました









いずれにせよ クリソプレーズは翡翠でなく

玉髄(石英)なので、さすがに2.2㎏で、52万というのは

めちゃくちゃな価格ではないでしょうか?




次の石は580gとあります



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これは糸魚川の翡翠でなく

十中八九、日高翡翠だと思います 

(日高は黒いゴマのような点が入るのが特徴)


仮に糸魚川産だったとしても、ジェダイトではないでしょう




つぎにこれ


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これも言うまでもなく

天然のサバとは似ても似つかないもので

≪叩き≫で作った菊の周りを

サンドブラスト(吹付け加工)で掘って

花を浮き彫りにしています




つぎにこれ


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≪磨きなし≫と書いていますが

花出しを終えて磨く前の石でなく、叩きによって花を造ったものです

要するに、叩きづくりの菊花石です


偽サバの石は、花らしきものはあり

それを叩きで形をつくり、花にしていますが

こっちの石は、まるっきり花を造ったものです


なので、≪磨きなし≫と言ったって

磨いたら花がなくなってしまうニセ菊花石です




最後にこれ


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この石に関しては千%、五城目でなく

根尾の桜石です


緋山自身が、根尾桜石の会の保存会の副会長で

専門中の専門です



鶴飼なる人のロジックでは

市場(いちぱ)で買ったときの石の名前が

イコール 実際の石の名前なんだそうです

(だから、私は詐欺をしていないという論理)



まぁ、サイトも見たりしないような人なので

自分が詐欺まがいなことをしていることにすら

気付くことがないのかもしれません


ただ、こうして書くために

クリソプレーズについて石友さんに聞いたり

自分でも調べたりします


それによって緋山自身の知識を増やせますし

その知識を、こうして公開することによって

閲覧してくれる方々の知識も増やせます


そういったことからも

意味があるかと思っています




それから、今回のトラブルで連絡したときに

この鶴飼という人が緋山に勧めてきた石がこれです


幸太郎石で、横46.5㎝ 12.5㎏ とありましたが

ダメな石の典型です


山頂が真ん中にきている (山形の理想は7:3) のはいいとしても

まず、肌が綺麗な感じを受けないこと





つぎに「底は切っていない」

「これだけの景で、底が自然なものはない」

と言っていましたが

底切りして、サンドブラスト(吹付け)加工してあります



そしてなにより一番ダメなのは







山頂が反り返っていて、品位に劣る

ということです


自然の山を全く知らないから

このような石に31万なんて、寝ぼけた評価を与えているわけです



なんでも鑑定団に出た石 (加茂川石 巣立ち真黒)





150万なんて、ふざけるのもたいがいにせい(笑)


こういう値段をつけるのは、自然の山を全く知らない人です

山頂が傾いていたり、あっちむいてホイしていたり

反りかえっていたりする名山なんてあり得ません

(緋山は日本200名山のうち150は登っています)


底切りかどうかは知りませんが

底が自然だとしても1万でもいらない石です



日本百名山を選定した 深田久弥(1903~71)が

選定の第一条件として

人に人格があるように、山にも山格がある

眺めて立派であることとしています

(第二は個性のある山を選ぶ)




鶴飼重男なる人に

この石は、秋田産でなく、ファンシージャスパーですよ

この石はサバではなく、叩きの菊花石ですよ

この石は五城目でなく、根尾の桜石ですよ

と教えてあげたのですが

オークションの取り消し、タイトルや商品説明の変更等を

する気がないようです


このような状態では、これまでは

無知、勉強不足から

間違えていたと解釈できますが

今は、詐欺師と断定できるということになりますよ




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