緋山酔恭「山水石美術館」 全国の水石・美石を紹介 四万十川石・石手川油石


四万十川石




四万十川は、高知県の西部を流れる渡川水系の本流です

河口付近では「渡川」(わたりがわ)という名前であるため

水系名は渡川水系となっているそうです


全長196km、四国内では最長、流域面積は吉野川に次ぎ第2位です

〔流域面積とは、ある河川に雨や雪が流れ込む範囲が流域で

流域面積はその面積をいう〕



高知県高岡郡津野町の不入山(いらずやま)を源流とし

高知県中西部を逆S字を描くように蛇行しながら多くの支流を集め

四万十市で太平洋に注ぎます









また、四万十川には支流も含めて47もの沈下橋(ちんかばし)があります

〔沈下橋は、増水時には水中に沈む橋。流木などが引っかかるのを防ぐため

欄干(らんかん)はないことが多い。高知・徳島・大分に多い〕




転写



なお「日本最後の清流」と呼ばれ、名水百選にも選ばれていますが

政府による科学的な水質調査では

全国の調査対象河川の中で際立って水質が良いわけではなく

四国でも、仁淀川〔によどがわ・吉野川・四万十川に次ぐ四国第三の河川

愛媛県・高知県を流れる〕に劣ります






四万十川石は、四国第一の銘石にして

全国的にも有数の銘石と言えます



その特徴は、景が

柔和な感じと、抽象的な感じとをもつところにありす


四万十川の石は、瀬田川の真黒に似ています

もっとも瀬田川の真黒は、四万十の石よりずっと種類が豊富ですが・・・

また、神居古潭石の真黒系でいうと、墨黒(すみぐろ)に近いと言えます



オイルを塗って観賞されることが多いですが

硬質のものはそのままでも十分に観られます





四万十川石は、珪質の粘板岩だそうです

泥岩が、昇温時に、珪質化したものらしく

これは加茂川や姉川(滋賀県)の真黒も同様だそうです


また、那智黒石 も、黒色で珪質の粘板岩です




泥が、水底に積み重なって固まったものを

「頁岩」(けつがん・頁は本のページの意味)といいます

堆積面に沿って薄く層状に割れやすい性質を持ちます

この頁岩が、圧力により固まったものを「粘板岩」といい

黒く緻密で、薄板状にはがれやすく、硯などに加工されます




那智黒は、珪酸を多量に含んだ頁岩が、噴出した溶岩との接触により

炭素を多量に取り込んだもので

黒色で硬質の粘板岩です






クリックすると写真が拡大表示されます






横26.5×高さ(台込)11×奥15  およそ4㎏













この石は、長崎県の水石業者 佳石庵の中路さんからいただきました











横21.5×高さ(台込)9×奥12  2346g










この石も、長崎県の水石業者 佳石庵の中路さんからいただきました


質がよく、景も素晴らしいです






大菩薩連峰 雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま)から、旧500円紙幣の富士




昭和44年発行

昭和57年に500円硬貨が発行されています






昭和26年に発行











横18×高さ(台込)5×奥8  610g











この石は、小ぶりながら景もよく

四万十の石としては最も硬質です



愛知県の菊花石・水石専門業者 天勝庵の渡辺さんからいただきました


渡辺さんは、水石収集も長年なさっていたので

ヤフオクに出品をはじめた当初は、かなりいいモノを出していました

長年、収集してきたコレクションを出していたわけですから












横15×高さ(台込)3.5×奥11  747g










この石も、硬質の四万十です


著名な石の収集家 静岡県在住の一刻爺さんこと

田旗さん(故人)にゆずってもらったものです





なお、四万十の石のような滑らかな石は、ゴツゴツした石に比べて

撮影しやすいだろう なんて思ったら大間違い

この石のようになんとなく「もやっと」したものは

ピントが合いません


ピントが合わない→ ボケる→ 画像修正でいつもよりシャープをかけて補正する

→ 肉眼ではほとんど感じない穴、傷、ゴミなどが浮き出てきて汚らしい写真となる

ということが起きてきます


なのでどのくらいシャープをかけるか

また拡大画像も小さめにして なんてことを考えつつ

大変なんです  じつは><












横17.5×高さ(台込)6.5×奥10  1153g







この石 は、長崎県の水石業者 佳石庵の中路さんからいただきました











横20.5×高さ(台込)6.7×奥12  2101g










この石は、一番初めに入手した四万十川石で

当時、ヤフオクで落札しました












横24.5×高さ(台込)15.5×奥11.5  およそ5㎏










この石は、質も景もなかなかのものです

左に裾野をひく山容がなんとも秀麗です



高土坡もオシャレですね


長崎県の水石業者 佳石庵の中路さんからいただきました





東北最大の名峰 日本100名山 鳥海山  転写











横22.5×高さ(台込)8×奥11  2552g










石質がよく

なかなかみごとな段石です



長崎県の水石業者 佳石庵の中路さんからいただきました









石手川油石

(いしでがわあぶらいし)




石手川(いしでがわ)を

ネットで調べてみると


重信川(しげのぶがわ)の支流で

三方ヶ森付近に源流を発し

愛媛県松山市を流れる河川。長さ27km


上流には石手川ダムがあり

松山市の上水の約半分を供給している

とあります




重信川は

愛媛県中部を流れる重信川水系の本川で、長さは36km

東三方ヶ森(標高1233m・高縄半島の最高峰・四国100名山)

という山の南麓に発し、南流

東温市付近を扇頂として広大な扇状地(道後平野)を形成し

松山市と伊予郡松前町との境界を成しつつ伊予灘に注ぐ

戦国時代以前は伊予川と呼ばれていた

とありました






東三方ヶ森  転写













四万十川石は

山水景情石の名石を産することで

全国的に著名です


四国には、もう1つ

石手川油石という

真黒系統の石が、存在することを知り

以前から気にはしていました


しかし、ヤフオクなんかには

なかなかいいモノが出てこないというのが実情でした







横24.5×高さ(台込)13.5×奥21  およそ7.5㎏

































この石は、長野の月水苑の月水さんからいただきました


底直しですが、なかなか景のよい石手川が出てこない

ということもあり、入手したしだいです



基本、私は、底切り石は買いませんが

希少石の場合、底直しなら買います








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