緋山酔恭「山水石美術館」 日本の美がここにある!! 全国の水石・美石を紹介



ジャグレの成因を考える




ジャグレのできる原因は

長年、石が川にあって、他の石や砂利、また水流によってえぐられ

削られたことによると信じられていますが


長野の月水苑の月水先生は

それはあくまで補助的要因にすぎす

ジャグレの原因は

主として土中で石が形成されたときにあると言います





よく

「硬い石はジャグレができない。軟らかい質だからジャグレができるのだ」

と語る人がいます


もちろん、軟らかいといっても

ある程度の硬さがないと川で崩れてしまうので

ジャグレはある程度、硬さをもった石でないとできません



なのでここでいう軟らかい質とは

超硬質の石に比べるとやや軟らかいという意味です





では

「硬い石はジャグレができない。軟らかい質だからジャグレができるのだ」

という話は正しいのでしょうか?



確かに、只見川の真黒でも

よくジャグレているのはやや軟らかい質です








しかし、溜まり石 ジャグレ石 で掲載している

赤幸太郎の溜まりとか、茨城の久慈川の青などは

超硬質の石でも素晴らしいジャグレが出ています















私はかつてパン屋をしていましたが

パンには強力粉という小麦粉を使います

強力粉は、水を加えてこねると

グルテンというタンパク質を形成します


このグルテンが

イースト菌のアルコール発酵(糖を食べて

炭酸ガスとアルコールをつくる)によって生じる

炭酸ガスを閉じめることによってパンが膨らみます



クッキーやケーキに使う薄力粉や、うどんに用いる中力粉では

グルテンの量が少なく、炭酸ガスを閉じ込める力が足りません

その結果、パンはよく膨らまないのです



では、パンには、グルテン量の多い小麦粉ならなんでもいいのでしょうか?

違います

グルテンの質も問題なのです



スパゲティでつかう

ディラム小麦という品種からとれる小麦粉は

パン小麦よりグルテンの量はあるのです

しかしパンには不向きです



なぜでしょうか?

それは、弾性(もどる力)はあるが、伸帳性(ひろがる力)がない

いうなれば強いけど、割れやすい質だからです




日本刀は、人を切れるほど硬くて強いですが

横からの力には弱く

斜めに立てかけて踏むと、簡単に折れてしまうほど伸帳性をもちません



こうした知識から石をみていくと

強いけど、割れやすい質というのは、キンキンに硬いけど

おっかけた部分をよくみかける石ということなるでしょう


こうした石は、硬いからジャグレができにくいのではなく

粘りがないからジャグレができないと言えます




一方、古潭の本真黒は粘りがあります

ねっとりとした質です

もちろん硬さもあります


そうなるとジャグレてもいいようですが

ジャグレません









こうしたことを総合して考えますと

月水先生のいう

ジャグレは、主として土中で石が形成されたときにある

というお話は

かなり信憑性が高いと思われます







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