佐渡 蛇山五色石 (へびやま ごしき) 五色瑪瑙(錦紅石)、羽茂五色の他に じつは佐渡には、もう1つ五色石があります それが「蛇山五色石」です 但し、現在ただ一人、佐渡で、原石から仕上げまでする 石磨き職人 の高野さんが 蛇山を佐渡で所有しているのは自分(高野さん)だけではないか? というほど、幻の石です 佐渡市真野の蛇山という山で採れたそうです 石英鉱物は、目に見えるほど大きく結晶しているもの つまり顕晶質(けんしょうしつ)のものを「水晶」と呼びます 一方、ミクロサイズの結晶が集まった潜晶質(せんしょうしつ)のものは 「カルセドニー」(玉髄)、「瑪瑙」(アゲート)、「ジャスパー」(碧玉)に分けられ 「カルセドニー」(玉髄)と「瑪瑙」(アゲート)は、半透明なモノ 「瑪瑙」(アゲート)は、カルセドニーのなかで模様の美しいモノをいいます これに対し、ジャスパーは不透明なモノを指します 日本ではジャスパーでもとりわけうつくしく透明感のあるモノを 五色瑪瑙(錦紅石)、羽茂瑪瑙(羽茂五色石) 出雲瑪瑙(花仙山のジャスパー)などと呼び、メノウは「美称」にもなっていますが 基本ジャスパーです 但し、佐渡の錦紅石を化学的に研究した人の本によると 白い部分は瑪瑙らしいです 白、半透明じゃないじゃないか!! という話になりますが スライスしたときに半透明なら「瑪瑙」らしいのです ただ【何センチにスライスしたとき】などといった規定もなく、そこはあいまい 厳密には不純物を20%以上含んだ不透明なものをジャスパーというそうです 五色瑪瑙や羽茂瑪瑙が、瑪瑙部分が入ることはあっても おおむねジャスパーであるのに対して 蛇山五色と、大杉めのうは 瑪瑙らしい瑪瑙です (大杉めのうにはジャスパーのものもある) クリックすると写真が拡大表示されます 横19×高さ(台込)23.5×奥10.5 およそ6㎏ 横を見ると珪化木に思えますが 正面、裏側に、木目がありません なので流紋岩がメノウ化したものだと思います
アリゾナの珪化木 転写 ちなみに、縦に割れた場合は このような木目が見られるはずです 私の入手した石が 珪化木だと仮定すると 横から見ると、木目が横線なので、前者にあたり 中に、円状の木目がなければなりません なお、錦珪化木は 1つあるいは1種類の樹木によって形成されているとは限りません 様々な樹木が折り重なって埋没し、熱変性を起こし 谷川などに転がって小さくなったものもあるわけです 写真の石は、津軽錦石の錦珪化木ですが 木目の方向がぐじゃぐしゃです しかし、横だけ木目がちゃんとしていて 中だけぐしゃぐしゃというのも考えにくいはずですよね それから、錦紅石なんかでも 珪花木っぽくみえる部分が入っている石もあります 佐渡 大杉めのう 現在ただ一人、佐渡で、原石から仕上げまでする 石磨き職人 の高野さんによると 大杉めのうは、いまだ佐渡より広く本土へと出ていないそうです しかし、昔から知られていた石のようで 佐渡市大杉は、羽茂の裏側にあたり 羽茂と色調が似ている石が出るそうです 山から海岸、海へと流れてくるので 大きな原石が海岸で見られるようです 横11.5×高さ(台込)23×奥8 2845g この石の赤は「柿赤」(かきあか)と呼ばれます この石は、高野さんよりいただきました さすが佐渡の瑪瑙といったものですね 横16.5×高さ(台込)14×奥6.5 1507g 羽茂五色に似る色彩の ジャスパー系の大杉めのうです 佐渡名石協会副会長の市川さんのお話では 「大杉の赤は、赤が美しい石なので、機会があればぜひ手に入れたほうがいい」 「〇〇さんが好きでいくつか所有しているがなかなか手放さない」 「現在、自分の手もとにはない」 ということで 現在ただ一人、佐渡で、原石から仕上げまでする 石磨き職人 の高野さんに探してもらい しばらくして入手できたのがこの石と下の石です ジャスパーでこの青は珍しく こ方向で観賞すると五色石となるので これを正面とするのがよいと思います 横14.5×高さ(台込)20.5×奥9.5 およそ3.5㎏ 写真だと黄色い影のような模様の写ってしまいますが 実際は、黄色の模様はありません 羽茂五色に似る色彩の ジャスパー系の大杉めのうです
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